サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
薄味だった森保Jのベネズエラ戦。
プラス評価はセットプレーの得点。
posted2018/11/17 11:15
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Takuya Sugiyama
味付けの薄いメインディッシュ、とでも言えばいいだろうか。
11月16日にベネズエラ代表と対峙した日本代表は、森保一監督就任以降の過去3戦と姿を変えていた。
不測の事態に見舞われた。スタジアム周辺の道路が大渋滞し、チームバスが到着したのはキックオフの40分ほど前だった。ピッチでのウォーミングアップは叶わず、慌ただしくキックオフを迎えた。
森保監督は「選手たちは与えられた環境のなかで最善の準備をしてくれた。試合の入りから集中して臨んでくれた」と話したが、最初の決定機はベネズエラだった。
11分、左サイドバック佐々木翔のバックパスがサロモン・ロンドンへのラストパスとなり、ゴール正面の至近距離からフィニッシュへ持ち込まれる。GKシュミット・ダニエルと入れ替わるようにゴールへ転がっていくボールは、センターバックの冨安健洋がギリギリでかき出した。
直後の14分には、柴崎岳が自陣でタテパスをカットされる。そのままペナルティエリア直前まで持ち込まれたら、追走した柴崎はファウルで止めざるを得ない。ロンドンの直接FKはカベがブロックしたが、こぼれ球をロンドンが狙うとゴール左を際どく逸れていった。
たたみかける迫力が感じられない。
日本代表の攻撃のエンジンが、回転数をあげていくのは15分あたりからである。
26分には堂安律が決定機を迎え、30分には南野拓実から大迫勇也へのラストパスがあと一歩でカットされる。そうした展開を巻き戻せば、ボランチの遠藤航やセンターバックの吉田麻也の効果的なタテパスがある。悪くはない。34分には大迫のスルーパスから中島翔哉がGKと1対1になる。だが、先制点を奪うことはできない。過去3試合に見せてきた、たたみかけるような迫力は感じられない。
それでも39分、右サイドのFKから酒井宏樹が右足ボレーでネットを揺らす。前半はこのまま1-0で終わったが、28歳の右サイドバックが決めた先制点は、本来なら追加点となるべきものだった。