バレーボールPRESSBACK NUMBER
日本でバレー国際大会ができない?
中国など海外での人気と放映権料。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byAFLO
posted2018/11/04 11:00
今年のバレーボール世界選手権は男子がポーランド、女子はセルビアが優勝した。
2022年以降は競争入札に。
そんな中、2012年に就任した国際バレーボール連盟(FIVB)のアリ・グラサ会長は、次回の2022年以降、世界選手権の開催国を競争入札で決めるという方針を打ち出した。ワールドカップについても、1977年から来年の2019年まで継続的に日本でフジテレビが共催してきたが、次回の2023年からは競争入札となる。
バレーボールに限らず、スポーツに投資できる額は、今、中国などの伸びに比べて、日本はあまり伸びていない。そうなるとFIVBとしては、日本からどれだけ集められるかを考えるよりも、世界中から募ってより条件のいい相手を選んだほうが潤う、ということのようだ。
海外でバレーの価値が上がっている一方、日本国内では、フィギュアスケートや卓球、バドミントンなど、国際競争力の高い競技が増えていることで、バレーの位置づけが下がり、スポンサー収入などに影響している。
世界に勝てる競技であること。
JVAの嶋岡健治会長は言う。
「やはり強くないといけない。今、卓球やバドミントンが世界と伍して戦える競技になっている。その中で、バレーの価値がどうなの? というところはある。やはり国民の関心というのは強いところに向かいますから。強いから見てみよう、応援に行こう、と。もちろん底辺から作っていくことも大事ですが、トップが強いと、自然とそれについていくもの。やはり(代表に)憧れがないといけない」
競争入札になれば、2022年以降、日本で三大大会(五輪、世界選手権、ワールドカップ)が開催されなくなる可能性がある。
野球、サッカー以外で、これほど長きに渡ってゴールデンタイムにテレビ放送されてきたスポーツはない。しかし日本のバレー界はそれを当たり前のように捉えてしまい、その好機を、新たなサポーターの獲得や、競技の普及、国内リーグの発展に十分に活かしてこられなかった。それが非常に悔やまれる。