バレーボールPRESSBACK NUMBER
日本でバレー国際大会ができない?
中国など海外での人気と放映権料。
posted2018/11/04 11:00
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
AFLO
9月29日から10月20日まで日本で開催された女子バレーボールの世界選手権は、セルビアの初優勝で幕を閉じた。
中田久美監督率いる日本は6位。目標としていたメダルには届かず、上位5チームとの力の差が浮き彫りになったが、粘り強く拾って勝機を見出す戦いぶりや、古賀紗理那、黒後愛といった若きエース候補の奮闘は見る者を惹き付けた。日に日に会場の熱気は高まり、2次ラウンド後半以降、日本戦は平日でも満員となった。
そんな中、日本バレーボール協会(JVA)と大会を共催するTBSテレビに、大幅な赤字が見込まれると報じられた。
もちろん赤字より黒字になるに越したことはないが、赤字だからこの大会は失敗だったという訳でもない。
むしろ日本で世界最高峰の戦いが見られたことは幸運だった。特に準決勝のセルビア対オランダ、イタリア対中国、決勝のセルビア対イタリアは、世界トップレベルの個々の能力と互いの戦術、駆け引きがぶつかり合う見ごたえのある試合だった。
TBS関係者が語っていたこと。
決勝と3位決定戦が行われた大会最終日の10月20日は、日本の試合がなかったにも関わらず、横浜アリーナはほぼ満員となった。
もちろん、日本が残ることを期待してチケットを買っていた人も多かったと予想されるが、試合中の会場の熱気や、試合後も表彰式まで多くの観客が残っていたことからも、この日観戦した人は十分に楽しめたのではと想像できる。そうした人々が、今後Vリーグの試合や、来年の国際大会に再び足を運んでくれれば、この先につながっていく。
TBSの関係者はこう語る。
「今回は日本戦の中継の冒頭やニュース番組などで、“頑張れニッポン”だけでなく、海外のチームや選手のことも力を入れて紹介していました。決勝で会場がいっぱいになったのは、それが花開いた部分もあったと思っています。
そもそも、儲かるからやっているというわけではない。僕らの思いとしては、バレーボールをトップスポーツにしたい、一番人気のスポーツにしたい。そのためにはやはりテレビで放映しないと。ゴールデンタイムで放送したことで、多くの人が見てくれて、バレーボール面白いな、中田さん応援したいな、という人が増えたことは間違いないと思うんです」