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新生Vリーグは客層が変わった!
「社員のもの」から真の興行へ。
posted2018/10/30 11:00
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Kyodo News
体育館に入ると、今シーズン、サントリー・サンバーズに新加入したリーグ最高身長218cm、ドミトリー・ムセルスキーの等身大パネルが出迎えてくれる。ビールや水割りを手にした会社帰りの男女が、自分の席を探して通路を行き来する。19時30分にスタートするゲームのスタンドは、昨シーズンまでとは明らかに違う客層で徐々に埋まっていった。
10月26日金曜日、ビジネス化を目指し「チームが主管となって運営するホームゲーム」を増やして開幕した新V.LEAGUE。大田区総合体育館で開催されたサントリーのホームゲームに足を運んだ。今シーズンよりすべてのホームゲームは、チームが主導権を握り、試合開始時間や演出、イベントなどを決める。どのような雰囲気で行われているのか、興味津々で会場へ向かった。
入場時に配られた赤いビブスを着た観客が、コートの半分以上を埋めている。観客に配られたのはビブス以外に、ポケット式の選手名鑑と、バレーボールの国際試合でよく見るスティックバルーン。
同封されたチラシでは、次回ホームゲームの案内や、ハッシュタグをつけてSNSに投稿した人へスポンサーの飲料をプレゼントするキャンペーンなどが紹介されている。口コミでの拡散や、次回の観戦につながる情報を発信しようという意図が明確に見えてくる。配布物の充実ぶりを見て「力が入っているな」「お金をかけているな」という印象を受けた。
選手横断幕でのアクシデント。
実は、開幕前にはアクシデントもあった。
会場に貼る選手横断幕について、“ビジターチームのみ認められない”という内容がサントリーのホームページに掲載されたのだ。開幕戦の数日前のことだった。
「ビジターのファンを排除するのか」
「応援したいという気持ちを無視するのか」
インターネット上で抗議の声が上がり、サントリーは一旦、掲載を非公開にする。その後、試合前に申告したもののみ許可するという内容へと訂正、再掲載された。