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佐々木翔が感じた長友佑都との差、
2人を知る城福監督からの言葉。
text by
石倉利英Toshihide Ishikura
photograph byJFA/AFLO
posted2018/10/29 10:30
代表の左サイドバックは人員不足だが、長友佑都の壁は高い。佐々木翔はそこへどう割って入るつもりなのか。
広島の城福監督がしたアドバイス。
長友と異なる特徴は、今後も継続して代表メンバーに選ばれる上ではストロングポイントになるだろう。とはいえ、そこから定位置をつかむとなると、乗り越えるべき壁は高い。数々の修羅場をくぐり抜けてきた長友との差を目の当たりにしたばかりの佐々木に、城福監督は10年前の記憶をたどりながら、アドバイスを送ったという。
長友が日本代表にデビューしたのは10年前、FC東京とのプロ契約1年目の2008年5月。城福監督もFC東京を率いて1年目だった。
「佑都は、いまでこそ日本代表でも堂々としていますけど、当時どれだけ不安を抱えていたのか、でもそれを外に見せずにプレーしていたのか、僕は知っています。だから、翔にも言いました。いまは周りがすごくギラギラしていて、自分がそれに追い付いていないような気になるかもしれないけれど、最初は誰でもそういうものだよ、と」
その後の長友の歩みも、さらなる成長のきっかけになると教えてくれるという。
「日本代表に呼ばれて、また次も呼ばれるために、自分が何をしなければいけないのか。そのためには謙虚さだけでなく、割って入る気持ちが必要です。佑都は代表に呼ばれれば呼ばれるほど、この座を誰にも渡したくない、渡さないという気持ちが生まれてきました。
翔も、謙虚に自分の足りないところを見つけることに加えて、自分の良さを前面に押し出してプレーすること、その姿勢を学んでくれれば、もっと自信あふれるプレーが見られるんじゃないかと思います」
「いままでの自分は足りなかったのかな」
佐々木自身はウルグアイ戦後、今後も日本代表に選ばれたいという思いとともに、さらなる成長の必要性について語っていた。
「これからも選ばれればいいですけど、そのためには、まず自分の力を高めなければいけないのは間違いない。守備も、攻撃も、運動能力も、すべてです、本当に。いままでの自分は足りなかったのかな。甘かったのかな。もっと自分のトレーニングを考えて、チームのトレーニングでも、もっと頭を使わないと。これまでよりも1つ、2つレベルを上げて、常に生活していく必要があります」