サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
佐々木翔が感じた長友佑都との差、
2人を知る城福監督からの言葉。
text by
石倉利英Toshihide Ishikura
photograph byJFA/AFLO
posted2018/10/29 10:30
代表の左サイドバックは人員不足だが、長友佑都の壁は高い。佐々木翔はそこへどう割って入るつもりなのか。
空中戦ができる貴重なサイドバック。
2015年にヴァンフォーレ甲府から広島に移籍した佐々木は、同年終盤に3バックの左で定位置をつかみ、2年ぶり3回目のJリーグ制覇に貢献した。翌'16年と'17年は2度にわたって右ヒザ前十字靭帯を断裂してほとんどプレーできなかったが、完全復活を期した今季、甲府でも指導を受けた城福浩監督が就任すると、左サイドバックのレギュラーとして不動の地位を築いている。
城福監督は甲府時代も、佐々木を左サイドバックで起用している。当時に倣った今季の起用法には、センターバックやサイドハーフとの組み合わせを考えたことに加え、1つの大きな理由があるという。
「あれだけヘディングが強いサイドバックは日本でもあまりいないし、チームの武器になります。プレースタイルはセンターバックに近いけれど、走れる選手。右サイドから攻め込んでのクロスを最後は翔がヘディングで決めるような分厚い攻撃は、目指しているところでもある」
手薄な左サイドであることもプラス。
佐々木は176cmと長身ではないが、ジャンプ力とタイミングの良さを生かすヘディングの強さには定評がある。日本代表でもコスタリカ戦で中島のCKにヘディングで合わせ、森保体制初得点となるオウンゴールを誘発した。
城福監督は広島だけにとどまらず、これからの日本代表の武器となる可能性を感じているという。
「前に出ていくサイドバックはたくさんいます。でも先ほども言ったように、あれだけヘディングが強い選手は、あまりいない。日本全体を見れば右サイドよりも、左サイドバックの方が選手層は薄いので、翔にとっても左サイドをやっていることはアドバンテージになり得る。最初はそこまで考えて、左サイドバックで起用したわけではなかったですけどね」