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菊花賞は地味に見えてハイレベル!
「キタサンの再来」と期待の1頭。
posted2018/10/20 09:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
NIKKAN SPORTS
クラシック三冠競走の掉尾を飾る第79回菊花賞(10月21日、京都芝外回り3000m、3歳GI)が近づいてきた。
同世代の牝馬戦線では、アーモンドアイが驚異的な強さで史上5頭目の牝馬三冠を達成した。また、来週の天皇賞・秋は、超豪華メンバーによる戦いとして早くから注目されている。
それに対し今年の菊花賞は、4年連続でダービー馬が出ないこともあって、いささか地味な印象がある。しかし、同じようにレース前は盛り上がりに欠けるように思われた近年の菊花賞も、レース後しばらく経って振り返ると、実はものすごく強い馬たちの争いだった――というケースが非常に多い。
過去10年の菊花賞の1~3着馬で、菊花賞後にGIを勝った馬を新しい順に挙げていくと、こうなる。
2016年の優勝馬サトノダイヤモンド、2着馬レインボーライン、'15年の優勝馬キタサンブラック、2着馬リアルスティール、'14年の3着馬ゴールドアクター、'13年の優勝馬エピファネイア、'12年の優勝馬ゴールドシップ、'11年の優勝馬オルフェーヴル、3着馬トーセンラー、'10年の2着馬ローズキングダム、3着馬ビートブラックと、11頭もいる。ちなみに、同じ条件で数えると、ダービーは9頭、皐月賞は14頭となる。
皐月賞には及ばないが、長距離戦のステイタスが下がっていると言われる近年も、菊花賞は高いレベルを保っているのだ。
「キタサンの再来」登場か。
今年の出走馬18頭のなかにも、ここをきっかけに先々さらに強くなっていきそうな馬が何頭かいる。
なかでも、田辺裕信が騎乗するジェネラーレウーノ(牡、父スクリーンヒーロー、美浦・矢野英一厩舎)は、戦績やレースぶりが、'15年の菊花賞を勝ち、'16、'17年と2年連続年度代表馬となったキタサンブラックと重なり、「キタサンの再来」を思わせる雰囲気を持っている。
キタサンブラックは、デビューから3連勝でスプリングステークスを勝ち、皐月賞で3着となったが、ダービーでは14着に大敗。秋初戦のセントライト記念を勝って菊花賞に臨み、優勝した。