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忘れられた逸材司令塔バークリー。
サッリのチェルシーでついに開花。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byUniphoto press

posted2018/10/12 07:30

忘れられた逸材司令塔バークリー。サッリのチェルシーでついに開花。<Number Web> photograph by Uniphoto press

能動的なスタイルを築き上げるサッリのもと、バークリーがついに司令塔としてのポテンシャルを発揮している。

セスクらを上回る万能タイプ。

 サッリはボールを支配し、相手ゴールを脅かし続けるのが信条で、それが守備も兼ねている。そのための動力源となる3センターの構成は、中盤中央の司令塔となる新戦力ジョルジーニョ、攻守両面のハードワーカーであるエンゴロ・カンテに加え、ゴールとアシスト源となり得るバークリーにプレシーズン中から目をつけていたようだ。

 素養の面では頷ける。まずはポゼッションを維持する上で必要なボール奪取において、バークリーはエバートンでのユース入団当初はCBをこなしている。そのためパス巧者のセスク・ファブレガスを守備力で凌ぐ。

 またMFとしての育成方針が固まる前にはセンターフォワードとしても起用され、レアル・マドリーからレンタル加入のマテオ・コバチッチと比べて得点力もある。そしてセンターハーフは17歳の頃から務める位置で、アグレッシブさでロフタス・チークに勝っている。

開幕当初は少々苦しんだが……。

 とはいえ、バークリーは順風満帆でレギュラーをつかんだわけではない。

 コミュニティ・シールドでは昨年4月以来のフル出場を果たしたものの、当人が「ストロング」と表現したコンディション以外、これと言って目に止まるものはないように思えた。 守勢を強いられた敗戦で果敢にプレッシングしたが、肝心のマイボール時に効果的なパスを繰り出せたのは後半だけだったからだ。

 また公式戦3試合連続の先発となった第2節アーセナル戦(3-2)では、パスのもたつきが失点につながり、一時は2点差を追いつかれるきっかけを与えてコバチッチが投入されるほどだった。

 翌節からはコバチッチの先発が増えたが、出場機会を与えられ続けたバークリーに変化があったのは、9月15日のカーディフ戦(3-1)である。

 後半早々に怪我で退いたコバチッチに代わってピッチに送り出されると、テンポ良く効果的にボールをさばいたのだ。

 そんなバークリーがサッリの影響を公言したのは、10月初旬のヨーロッパリーグ戦前。「30分も一緒にいれば知力が伝わる」、「もっと若い頃から同じような指導を受けていれば、今頃はもっと成長できていたかもしれない」との発言は、一部メディアで古巣への当て擦りとも報じられた。

 それでも伸び悩み脱却の兆候は、20代半ばにしてキャリアの正念場だった本人の貪欲さ、選手への注文が細かい新監督の指導スタイルの相乗効果に違いない。

【次ページ】 イングランド代表に待望のMFが。

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