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忘れられた逸材司令塔バークリー。
サッリのチェルシーでついに開花。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byUniphoto press

posted2018/10/12 07:30

忘れられた逸材司令塔バークリー。サッリのチェルシーでついに開花。<Number Web> photograph by Uniphoto press

能動的なスタイルを築き上げるサッリのもと、バークリーがついに司令塔としてのポテンシャルを発揮している。

イングランド代表待望のMFに。

 先発に返り咲いたサウサンプトンとのアウェイゲームでは、力強いボール奪取から迷わずエデン・アザールにラストパスを通したアシストと、オリビエ・ジルーのシュート兼クロスをゴールに押し込んだ。この活躍ぶりはサッリが求める攻撃的MF像であるとともに、本来あるべきバークリー像でもある。

 他にも自陣内からボールを持ち上がってFKを奪ったり、マークに入った吉田麻也相手にも体を張って味方につなつつ、アザールにラストパスを送る場面もあった。

 的確に持ち味を発揮する場面が増えているバークリーは、ロシアW杯で4強入りしながらMF不足を痛感させられたイングランド代表にとっても大歓迎に違いない。

 10月12日と15日のUEFAネーションズリーグ、クロアチア戦とスペイン戦に向けてバークリーを招集したガレス・サウスゲイトが、「リアルタイムで知る限り、ガスコインが国産唯一のワールドクラスMF」と言えば、「現役当時のガッザなみの出来を見せられるかどうかが、僕にとってのチャレンジ」とバークリーも語る。

 長すぎた「足踏み」を終えた「2世」が、再び自信を胸にポテンシャル開花へと足を進め始めた。

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