Jをめぐる冒険BACK NUMBER
ビビるほど凄い同世代の敵サウジ。
森保U-21はなぜ自信を漂わせるか。
text by

飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byNaoki Morita/AFLO SPORT
posted2018/08/27 11:40

アジア大会で活躍すればA代表にも抜擢……と森保一監督も言及しているので、選手たちの士気も高い。
トップ下のアルフライフが厄介。
指揮官も言うように、サウジアラビアは中盤にも好タレントが揃っている。なかでもトップ下に入る10番のアイマン・アルフライフの存在は厄介だ。
カマラとは対照的にこちらは身長166センチと小柄で、カマラの周りを衛星的に動き回る技巧派のセカンドトップ。かつて日本代表と何度も対戦したサウジアラビアの国民的な10番、モハマド・アル・シャルフーブを彷彿とさせるタイプだ。
つまり、サウジアラビアの前線の形は1トップ+1シャドー。日本は3バックを敷くため、どうしても中央の立田がセンターフォワードのカマラと1対1の状況を迎えることが多くなる。
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そこにシャドーのアルフライフが飛び出してきたとき、どう対処するか――。これが、サウジアラビア戦のひとつの焦点となる。
一方、興味深いのは、このサウジアラビア戦は今大会で日本が初めて迎える同世代の対戦となることだ。
初めてオーバーエイジ無しのチームと対戦。
日本は東京五輪の強化を見据えてアジア大会に21歳以下のチームを送り込んでいるが、これまでに対戦したネパール、パキスタン、ベトナム、マレーシアはいずれも大会のレギュレーションどおり、23歳以下のチームにオーバーエイジの3人を加えたチームだった。
しかし、サウジアラビアは日本と同じく東京五輪に向けた強化の一環として、21歳以下のチームで乗り込んできた。
しかも、日本とサウジアラビアは2年前のU-19アジア選手権の決勝でも顔を合わせている。このときは0-0のまま120分を戦い終え、PK戦を制した日本が初のU-19アジア王者に輝いた。
もっとも、試合内容に目を向ければ防戦一方で、サウジアラビアのシュートがポストを叩くなど、相手の決定力の低さに助けられたゲームだった。