酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
甲子園を連覇する学校の共通点は?
大阪桐蔭の3投手体制はかなり有力。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2018/08/16 11:40
高校野球の頂点に君臨する大阪桐蔭。プロ入り後に大成する選手が多いのも人気を後押ししているのだろう。
2年連続で大エースが登場した稀有な例も。
戦後は4例。
<法政二(神奈川)>
1960夏1回戦○14-3御所工(紀和・奈良)
1960夏2回戦○4-0浪商(大阪)
1960夏準々○8-0早稲田実(東京)
1960夏準決勝○6-0鹿島(西九州・佐賀)
1960夏決勝○3-0静岡(静岡)
1961春2回戦○4-1北海(北海道)
1961春準々○3-1浪商(大阪)
1961春準決勝○10-1平安(京都)
1961春決勝○4-0高松商(香川)
のち巨人V9の先頭打者として活躍した柴田勲がエース。1960年夏2回戦と1961年春準々決勝では「怪童」尾崎行雄(東映)と投げ合い、ともに勝っている。
<池田(徳島)>
1982夏1回戦○5-2静岡(静岡)
1982夏2回戦○4-3日大二(西東京)
1982夏3回戦○5-3都城(宮崎)
1982夏準々○14-2早稲田実(東東京)
1982夏準決勝○4-3東洋大姫路(兵庫)
1982夏決勝○12-2広島商(広島)
1983春1回戦○11-0帝京(東京)
1983春2回戦○10-1岐阜第一(岐阜)
1983春準々○8-0大社(島根)
1983春準決勝○2-1明徳(高知)
1983春決勝○3-0横浜商(神奈川)
'82年夏は畠山準(南海、大洋)、'83年春は水野雄仁(巨人)と2年続けて大エースが登場し、夏春連覇。こういう例は1例だけ。
こうしてみていくと、春夏連覇には大エースの存在が不可欠だということがわかる。
しかし春夏連覇に貢献した投手で、プロ入り後、200勝した投手は野口二郎(237勝)だけ。100勝投手も松坂大輔(112勝)、野村弘樹(101勝)だけ。
甲子園のマウンドを1人で守り切ることの消耗度の高さを思わずにはいられない。
今年の大阪桐蔭は柿木蓮、根尾昂、横川凱とドラフト候補と目される投手が3人いる。個々の投手への負担は大エース1人の場合よりもかなり軽いだろう。
史上初の2度目の春夏連覇の可能性はかなり高いのではないか。