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トルコ系ドイツ人のギュンドガン。
自国サポのブーイングと“寛容性”。
posted2018/06/15 10:30
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph by
Getty Images
巷はロシアワールドカップの話題で溢れている……と思っていたのですが、久しぶりに日本へ帰国してみると、何だか静かな雰囲気が漂っています。現在の日本代表を取り巻く状況を鑑みると、致し方ない面もあるとは思います。
4年に一度の祭典を心から楽しみたいのですが、なんとももどかしいですね。
ドイツは、もちろんワールドカップの話題で持ち切りです。シーズン中は国内リーグ、ブンデスリーガがニュースの中心ですが、今はテレビや新聞紙上などで連日ドイツ代表の動向が伝えられています。
『kicker』や『Bild』など各誌・紙からワールドカップ特集号が発刊されていて、店頭の目立つ場所にディスプレイされています。また、ドイツの有名スーパーである『REWE』や『EDEKA』ではドイツ代表のグッズが並べられるようになりました。代表選手のカードやシールのプレゼント企画があるなど、結構ベタなプロモーションも行なわれていて、このあたりは日本とそれほど変わりません。
ドイツではW杯を「WM」と記すんです。
ちなみにドイツでは、ワールドカップの略称を『WM』と記します。『WC(WORLD CUP)』ではありません。
ドイツ語では、ワールドカップのことを「Weltmeisterschaft」と言います。「Welt」は世界、「Meister」はチャンピオンとか名人という意味。これに「schaft」を付けて「世界選手権」という意味合いになるそうです。だから略称は「Welt」と「Meister」の頭文字を取って「WM」になるのです。
パブやバーの店先にある黒板のボードに「WM!」と書いてあるのは、「ワールドカップの試合を流しますよ!」という印です。ドイツの初夏は天候に恵まれることが多いので、ワールドカップ期間中は屋外でのパブリックビューイングも盛んです。ドイツの人たちはたいていビール好きなので、試合を楽しむというよりも、単純にビールを飲むきっかけがほしいだけのようですけども(笑)。