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PL学園から最後のプロ野球選手に?
東洋大学・中川圭太は完全に本物だ。
posted2018/06/12 08:00
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
AFLO
春の「東都」を制したのは東洋大学だった。
國學院大の粘り、亜細亜大の急追を振り切った勝因は、リーグ戦前から評判になっていた剛腕投手陣だった。
エース格として大奮投を続けた上茶谷大河(4年・181cm85kg・右投右打・京都学園)に、その奮投を受けて試合終盤を150キロ前後の速球と高速フォークで締めた守護神・甲斐野央(4年・185cm75kg・右投左打・東洋大姫路)、さらに本来なら先発の両軸となるはずだったのがリーグ戦序盤で足首に打球を当てて無念の戦線離脱となった本格派右腕・梅津晃大(4年・187cm92kg・右投右打・仙台育英)がいて、 2016年春のセンバツ優勝投手の村上頌樹(2年・174cm75kg・右投左打・智弁学園)まで控えているという贅沢な布陣だ。
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「そうは言っても、まだ働いたのはこの春だけでしょう」
そんな声も一方からは聞こえてきて、実は私も、少なくても1年2シーズンは好調を維持できて初めて“実力”だという信用の仕方をしているほうである。
1年春からレギュラーのPL出身内野手。
ならば、中川圭太(4年・180cm75kg・右投右打・PL学園)だろう。むしろ、こちらを推したい。
入学直後、1年春のシーズンからレギュラーを獲得すると、この4年生の春までの7シーズン、大きな故障もなくコンスタントな成績(通算打率0.293)をあげ、「鬼の東都」でベストナインを4回受賞。5シーズンで3回のリーグ優勝に貢献してきた。
今春のリーグ戦、中川圭太の実線は一段としたたかになったように見えた。
2死二、三塁のフルカウントからライトポール付近に着弾した打球がファールになると、次の内角速球を一転レフト線にライナーで打ち返し、別の試合では、初球から相手投手の勝負球のチェンジアップを捉えるとレフトスタンド中段に放り込む。
先回りして狙い球を待ち構え、正確に捉えるバッティングには、この春のシーズンで“凄み”が加わった。