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トルシエが語るハリルジャパンの過ち。
「選手達を“勇猛な戦士”にしたかった」
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byGetty Images
posted2018/05/22 11:30
にこやかな表情というより、怒っているイメージが強かったように思えるハリルホジッチ前監督。常に「闘志」を前面に出して戦う指導者だった。
「本田と香川、岡崎の問題はくすぶり続ける」
「だから西野氏が就任会見で、戦士になって戦うスタイルとボールを回すスタイルを混ぜていきたいと語ったのは理解できる。戦士となって戦い、ボールを奪ったらプロフォンダー(縦への速くて深い攻撃)を使って仕掛ける。とにかく素早くスピーディに、だ。そしてそれとは別に、相手に対してボールを回しながら時間をかけて仕掛ける。その両方が必要となるだろう。
つまり本田と香川、岡崎の問題は今後もくすぶり続ける。
もちろん彼ら3人が中心選手であるのは間違いない。しかしそれは彼らが100%のレギュラーであるというのと同義ではない。
ナショナリズムの観点からすれば、彼らを中心にスタメンを構成するのはわかる。彼らが体現する勇気や栄誉がチームをいい状態に変えていくだろうから。私が秋田(豊)と中山(雅史)に期待したのと同じ効果だ。チームを立て直すという点では彼らは申し分ない。
しかし戦術面においては、戦士であることは絶対的に必要だし、しっかりと守らねばならない局面も多い。とにかく素早く攻撃することが必要だ。ボール保持にこだわることなくこの哲学を突き詰めていく必要がある。
だからチームの構成については熟考が求められる。
ヴァイッドが何をしようとしたかを十分に理解しなければならない。
彼が追求してきたものを全て否定してはならない。ヴァイッドが選手たちに与えようとしていた情報が何であるかを理解すべきだ。だが……それが現状、十分に理解されているとは思えないのがとても残念だ」