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代わり映えしないリストの中で、
西野監督の“色”を象徴する2人。

posted2018/05/22 07:00

 
代わり映えしないリストの中で、西野監督の“色”を象徴する2人。<Number Web> photograph by Getty Images

人材過多なボランチのポジションで選ばれた青山の起用法に、西野監督の構想のヒントがある。

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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 監督が代わっても選手は変わってないじゃないか、と思った方がいたかもしれない。というより、そう感じた人の方が多いくらいだろう。

 ロシアW杯へ挑むサッカー日本代表の輪郭が、5月18日に明らかになった。同日に行われた記者会見で、西野朗監督が27人のメンバーを発表したのである。

 そのほとんどは、ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督のもとで常連だった選手だ。代わり映えのしない印象が漂い、実績や経験が重視された選考だったことで「監督を代える必要があったのか」との声が沸き上がっているようだ。

 これまでのチームがベースになると、西野監督は就任直後から話していた。前監督のもとで積み上げたもの──言い換えれば監督が代わっても生かせるものは、無駄なく取り込むべきである。

 具体的には、実戦で培われたコンビネーションだ。そのためにも、既存のメンバーが中心となる。

 西野監督には時間がない。将来性や可能性に賭けた選考をする猶予はなく、計算の立つ武器を最大限に生かすチーム作りは現実的だ。

誰よりも慎重なのは、西野監督だ。

 意見が分かれるのは本田圭佑、岡崎慎司、香川真司の招集だろう。

 本田は所属クラブで試合に出てきたが、3月のテストマッチでは明らかに精彩を欠いた。岡崎と香川は、ケガの影響などで実戦から遠ざかっていた。何よりも、ハリルホジッチ前監督のもとでの彼らは絶対的な存在でなかったから、27人に選ばれること自体が疑問を誘うかもしれない。

 大前提として、西野監督は彼らのロシアW杯行きに当確の印をつけていない。記者会見で3人のクオリティを称賛したものの、21日スタートの合宿で「コンディションを見極めたい」とも話している。彼らのW杯行きに誰よりも慎重なのは、他でもない西野監督なのだ。

 所属クラブで試合に出ていない浅野拓磨の選出も、疑問を呼んだかもしれない。'18年に入ってからの彼は、所属するシュツットガルト(ドイツ)でまったくと言っていいほど試合に絡めなかったからだ。

 それならば、移籍1年目のポルトガルリーグで2ケタ得点をあげた中島翔哉を選ぶべきだ、との意見は多い。

【次ページ】 左ウイングの人材過多と、右の薄さ。

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