ドイツサッカーの裏の裏……って表だ!BACK NUMBER
王者の輝きあり、伏兵の大健闘あり。
10大ネタで今季ブンデスを振り返る。
text by
遠藤孝輔Kosuke Endo
photograph byGetty Images
posted2018/05/11 16:30
バイエルンがマイスターシャーレを掲げるのは見慣れた光景だが、今季ブンデスでは様々なトピックスが起きていた!
ハンブルガーは初の降格が現実味。
<9.明暗を分けた北部の2大クラブ>
監督交代が吉と出たのはシュツットガルトだけではない。ブレーメンも新監督の下で力強い歩みを見せた。アレクサンダー・ヌーリからバトンを引き継ぎ、黒星先行の戦いに変化をもたらしたフロリアン・コーフェルト監督だ。
現役時代はアマチュア止まりのGKに過ぎなかったが、指導者として卓越した手腕を発揮。自陣深くに引いて守る“弱者の戦い”ではなく、強気のプレッシングサッカーで就任時に17位だったチームを残留に導いた。
北部を代表するもう一つの名門、ハンブルガーSVはクラブ史上初となる2部降格が現実味を帯びている。第19節終了後にマルクス・ギスドルを更迭し、鬼軍曹マガトの愛弟子であるベルント・ホラーバッハを新監督に据えたが、チーム状況はまるで改善せず、15試合未勝利(第14~28節)という未曽有の低迷に喘いだ。数少ない収穫は最終盤に指揮を執り、内容も結果も改善させたクリスティアン・ティッツ監督と、4月の月間若手選手にノミネートされた伊藤達哉の台頭だろう。
<10.充実一途のドイツ人GK>
最後に挙げるのは、ドイツ人GKの充実ぶりだ。前述のウルライヒに加え、シュツットガルトのロン・ロベルト・ツィーラー、シャルケのラルフ・フェールマン、レバークーゼンのベルント・レノ、ホッフェンハイムのオリバー・バウマンが10回以上のクリーンシートを記録した。
最終節の結果次第では、フライブルクのアレクサンダー・シュボロフもこのリストに加わる。ドイツ人に限定すれば、昨シーズンはノイアーとバウマン、一昨シーズンはノイアーとレノしか10回以上のクリーンシート達成者はいなかった。
ロシアワールドカップのメンバー選考を控える、ドイツ代表のヨアヒム・レーブ監督から嬉しい悲鳴が聞こえてきそうだ。