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王者の輝きあり、伏兵の大健闘あり。
10大ネタで今季ブンデスを振り返る。 

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遠藤孝輔

遠藤孝輔Kosuke Endo

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posted2018/05/11 16:30

王者の輝きあり、伏兵の大健闘あり。10大ネタで今季ブンデスを振り返る。<Number Web> photograph by Getty Images

バイエルンがマイスターシャーレを掲げるのは見慣れた光景だが、今季ブンデスでは様々なトピックスが起きていた!

ジャマイカン、長谷部フランクの健闘。

<4.旋風を巻き起こしたジャマイカン>

 カイ・ハフェルツが史上最年少(18歳と307日)で50試合出場を達成するなど、ヤングタレントの活躍が際立ったレバークーゼンで、最も大きな輝きを放った俊英がレオン・ベイリーだ。

“スプリンター大国”ジャマイカで生まれ育ったドリブラーは、持ち前の快足を武器に独力でゴールへの道を切り開き、何度となく勝負を決する違いを作り出した。

 開幕前に1100万ユーロだった推定市場価格は、いまや4500万ユーロまで跳ね上がっている。ただ、潤沢な資金力を誇るプレミア勢からすれば“お買い得”だろう。トッテナム、リバプール、マンチェスター・ユナイテッドがこのレフティーに首ったけで、ベイリーの父親も今夏のステップアップ移籍を匂わせる発言をしている。

<5.フランクフルトの健闘>

 昨シーズンにヨーロッパリーグ出場権を確保する躍進を果たしたケルン、ヘルタ・ベルリン、フライブルクが軒並み低迷するなか、長らく上位戦線に踏み止まっていたのがフランクフルトだ。スペクタクルとは無縁ながら、アタッカーを含む全選手が守備時のハードワークを怠らず、奪ったボールは素早く縦に運ぶサッカーが機能。DFBポカールでは2シーズン連続で決勝まで駒を進める健闘を見せた。

 優秀な若手が雨後の筍のように出現しているブンデスリーガのなかで、長谷部誠やケビン・プリンス・ボアテンク、ダビド・アブラアム、マルコ・ルスといった30代のベテランたちが気を吐き、チームパフォーマンスを安定させる要因となっていた。

<6.物議をかもしたビデオ判定>

 ミスジャッジを減らす趣旨で新たに導入されたビデオ判定も、今季を振り返るうえで欠かせない。ロシアワールドカップでも採用されるこのシステムは、とりわけシーズン前半に大きな物議をかもした。

 映像をチェックしているVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が主審に介入できる基準が秘密裏に変わっていたり、プロジェクトリーダーが八百長疑惑で解任されたりと、何かと問題が絶えなかったのだ。

 確かに、VARによってミスジャッジが修正された機会は多かったが、試合が頻繁に中断することに苦言を呈した選手(シャルケのナウドなど)も存在した。シーズン終了後にドイツサッカー連盟が公開する予定の検証結果に注目が集まる。

【次ページ】 大迫所属のケルンがまさかの屈辱。

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