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データで見えた錦織圭の完全復活!
鬼の勝負強さでマスターズ準優勝。 

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今田望未

今田望未Nozomi Imada

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posted2018/05/07 16:30

データで見えた錦織圭の完全復活!鬼の勝負強さでマスターズ準優勝。<Number Web> photograph by Getty Images

モンテカルロで躍動感あふれるプレーを見せた錦織圭。全仏オープンに向けても期待が高まる。

チリッチ、ズベレフを立て続けに撃破。

 3回戦のアンドレアス・セッピ(イタリア)戦では、錦織が出だしから完璧なテニスを披露し圧倒したが、いい時間帯を過ぎると今度は試合巧者のセッピのテニスに捕まった。試合の流れが大きく振れる展開となるも、最後に突き放したのは錦織。ファイナルセットに入って立て直し、相手にブレークポイントを与えずに勝利した。

 準々決勝の相手、マリン・チリッチ(クロアチア)はこれまで2人のキャリアの重要な局面での対戦が続いたライバルだ。2セット目途中でチリッチが大会中に痛めていた膝の具合を悪化させ、棄権負けもよぎったがここからチリッチの執念が錦織を上回った。

 一時は錦織の敗北寸前までもつれたが、終盤で相手の横を抜くスーパーショットで流れを掴み、1年3カ月ぶりにトップ10から勝利を収めた。

 準決勝のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)は昨シーズンからATPツアーの主役の一人になっている次世代の王者候補筆頭。昨年には全くいいところなく完敗している相手だ。

 序盤はズベレフの力あふれるプレーに押し込まれるも、1stサーブが入らないズベレフに対して錦織がリターンから主導権を掴みファイナルセットへ。最後もリターンをきっちり深く決めてズベレフのミスを誘った。

トップ10に連勝は準優勝の全米以来。

 各試合を振り返ってみても、ファイナルセットで錦織はいいプレーをきっちり出して勝利を収めている。結果以上に完全復活を印象付ける大会になった。

 マスターズでの準優勝は自己最高タイの成績。1つの大会でトップ10に2連勝するのは、なんとあの全米オープン準優勝の時以来。錦織の成績だと感覚がマヒしがちだが、数字でもけが前と同じ水準まで戻ってきたことが裏付けられた。

 そしてファイナルセット4連勝により、勝率でも歴代1位の座を再び取り戻した。多くの側面から完全復活の太鼓判が押されていると言っていいだろう。

 では、なぜ錦織のテニスはここまで劇的によくなったのだろうか? ここではATPツアーが公開しているスタッツから読み解いてみる。ただしハードコートの試合の詳細な統計は、マイアミマスターズの2試合しかないため、十分な試合数がないことは断っておきたい。

【次ページ】 クレーで必須のフォアハンドが向上。

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