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ダニエル太郎がついにツアー初V。
優勝導いた「格闘家メソッド」とは?

posted2018/05/10 11:30

 
ダニエル太郎がついにツアー初V。優勝導いた「格闘家メソッド」とは?<Number Web> photograph by Getty Images

TEB BNPパリバ・イスタンブール・オープンのトロフィーと25歳のダニエル太郎。日本男子史上4人目となるツアー優勝である。

text by

吉谷剛

吉谷剛Tsuyoshi Yoshitani

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Getty Images

 再び来ると信じていた幸運は早く訪れ、ツアー初優勝という最高の形で実を結んだ。

 ダニエル太郎がイスタンブール・オープンでATPツアー初の決勝進出にして、初優勝を成し遂げた。

 決勝でマレク・ジャジリ(チュニジア)を7-6、6-4で破ったダニエルは奇跡のような7日間を振り返り「1週間前に僕がここで優勝すると神様か魔法使いに言われても、絶対に信じられない話。実際にそれが起こったということはびっくりする」と驚いた。

ダニエルが持っている「運」と「父」。

 日本の大型連休の最後に飛び込んできた本人も信じられない夢物語。だが、伏線はあった。それは、彼の「運」と「父」の存在である。

 ダニエルも明らかにしたように、当初は同週のポルトガル・エストリルのツアー予選に出場する予定で、彼はすでに現地入りしていた。曰く「ATPの出場リストが落ちてくると思っていたので、エストリルかミュンヘンのどっちかに行きたいと思っていたが、動かなかった。こっち(イスタンブール)が本戦に入れたので、ここに来るしかないという感じ」だった。

 つまり、エストリルでの予選前日にイスタンブールの本戦入りが決まり、急きょ移動の手続きをして慌ただしく大会を迎えたのだ。

「金曜日の夜に決まって、土曜日の昼に(イスタンブールに)飛んだ。夜に着いて、日曜から準備した」

 3月のマイアミ・オープンでは予選決勝で敗れ、ラッキールーザー狙いで待機しながらも寸前で本戦に入れなかったが、今回は運命の糸に導かれるように地中海をまたぎ、イスタンブールに飛んだのだった。

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