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攻めのポゼッションでドイツを翻弄。
史上最高のスペインは無敗でW杯へ。 

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工藤拓

工藤拓Taku Kudo

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posted2018/04/06 07:30

攻めのポゼッションでドイツを翻弄。史上最高のスペインは無敗でW杯へ。<Number Web> photograph by Getty Images

イスコがミスをする場面を想像するのは難しい。たとえそこが相手の守備網のど真ん中であっても。

メッシ不在といえど、6-1は言いわけ不能。

 アルゼンチンは4日前のイタリア戦に続いてメッシが不在で、他にもディマリアら数人の主力選手を休ませていた。対するスペインは家族の事情でチームを離れたシルバに代わってアセンシオが先発。1トップをロドリゴからジエゴ・コスタに入れ替えただけで、残りの9人はドイツ戦と同じメンバーだった。

 そうした事情を差し引いても、6-1というスコアは、アルゼンチンにとってショッキングな大敗だったに違いない。

 序盤から親善試合とは思えぬ激しい削り合いとなったこの日、スペインはドイツ戦ほどハイレベルなパスワークを見せたわけではなかった。

 際立ったのは決定力の高さだ。12分の先制点を皮切りに、スペインはアルゼンチンが自陣で致命的なミスを犯すたび、容赦なくゴールを積み重ねていった。

中盤に加え、前も後ろも過去最高クラス。

 この日の主役は、キャリア初のハットトリックを記録したイスコだ。レアル・マドリーでは勝利を逃すたびに「プレーを遅くしている」と批判されてきたが、代表では攻撃の核として欠かせない存在であり続けている。

 イニエスタに匹敵する驚異的なキープ力でポゼッションの安定に貢献するだけでなく、アタッキングサードでは年々研ぎ澄まされていく突破力と得点感覚を存分に発揮。ロペテギ指揮下の代表では、ここまでシルバの11ゴールに次ぐ9ゴールを記録している。

 イスコを筆頭に、コケ、チアゴ、デヘア、ロドリゴらロンドン五輪世代が主力に成長したことで、一時は衰退期を迎えたかに思われたスペインは鮮やかな復活を遂げた。

 ルイス・アラゴネス時代からの生き残りであるセルヒオ・ラモス、イニエスタ、シルバは今もチームの主軸を担い、下からはサウール、アセンシオら若いタレントが続々と台頭している。

 世界一の陣容を誇る中盤はもちろん、今やスペインはあらゆるポジションで過去最高と言える豊富な戦力を誇っている。

【次ページ】 ロペテギ監督就任以降、なんと18戦無敗。

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