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天才、知性、規律、あと何が必要か。
W杯連覇へドイツに唯一足りない物。

posted2018/03/30 11:15

 
天才、知性、規律、あと何が必要か。W杯連覇へドイツに唯一足りない物。<Number Web> photograph by Getty Images

ブラジル戦こそ敗戦し、前回W杯の雪辱を果たされた形だが、ドイツ代表の本領が試されるのはロシアW杯だ。

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遠藤孝輔

遠藤孝輔Kosuke Endo

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 1962年大会のブラジルを最後に、W杯連覇を成し遂げた国はない。今夏のロシア大会でそのジンクスを打ち破る権利を持つのは、当然ながら前回王者のドイツだけだ。ブラジルの5度に次ぐ4度の優勝歴を有する大国は、はたして50年以上に及ぶサッカー界の呪縛を解き、7月15日のモスクワで世界制覇の美酒に酔えるだろうか。

 その試金石となったのが3月23日のスペイン戦だ。主将のマヌエル・ノイアーを怪我で欠いたものの、現状のベストメンバーで臨んだドイツは前々回大会の覇者と一進一退の攻防を繰り広げた。

 6分にロドリゴのゴールで先制を許す苦しい展開ながら、35分にトーマス・ミュラーの鮮やかなミドルで同点。その後はネットを揺らせずに1-1の痛み分けに終わったが、主導権を握る時間も少なくなく、世界王者の矜持をきっちり見せつけた。

スペイン相手のドローに「A評価」が。

 現在のスペインの状態はすこぶる良い。なにしろドイツ戦の4日後に行なわれた27日のフレンドリーマッチで、アルゼンチンを6-1と完膚なきまでに叩きのめしたのだから。相手エースであるリオネル・メッシが不在だった事実を差し引いても、世界各地で開催された3月の国際Aマッチの中で、この一戦ほど衝撃を残したゲームはないだろう。

 それほど好調なスペインに互角に渡り合ったのだから、ドイツメディアが好意的な反応を見せたのも当然だ。例えば『南ドイツ新聞』はスペイン戦でのパフォーマンスを「A」と評している。

 相手のパスワークに翻弄される時間帯もあったが、中盤でのボール回しで敵の守備ブロックを揺さぶれば、ティモ・ベルナーを活かしたカウンターも機能。とくにベルナーのスピードはジェラール・ピケやダニエル・カルバハルを置き去りにした。4年前のドイツにはなかった武器であり、ロシア大会でも相手の脅威になるだろう。

【次ページ】 ボアテンク、ケディラが“狙い目”に。

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