ドイツサッカーの裏の裏……って表だ!BACK NUMBER
天才、知性、規律、あと何が必要か。
W杯連覇へドイツに唯一足りない物。
text by
遠藤孝輔Kosuke Endo
photograph byGetty Images
posted2018/03/30 11:15
ブラジル戦こそ敗戦し、前回W杯の雪辱を果たされた形だが、ドイツ代表の本領が試されるのはロシアW杯だ。
必要なのは、若手の物怖じせぬ発言。
「2014年W杯が終わってから、多くのオピニオンリーダー(フィリップ・ラームやバスティアン・シュバインシュタイガー、ミロスラフ・クローゼ)が去り、多くの才能あふれる選手が現われた。ただ、今のドイツには不快な真実に言及して、チームの良い雰囲気が壊れることを恐れない選手が必要だ。今夏にタイトルを獲るには、才能、知性、天才だけでは十分ではない」
なるほど、たしかに過去のドイツ代表にはフランツ・ベッケンバウアーやローター・マテウスなど発言力の大きい絶対的なリーダーが存在した。ただ、チーム内のヒエラルキーを事実上撤廃して、若手でも自分の意見を言える風通しの良い環境を作り、ブラジルW杯制覇まで導いた“新時代のリーダー”がラームだったはずだ。
真に待望されるのは、むしろ経験豊富なクロースに物言える若手ではないか。それがドラクスラーでも、ゴレツカでも、サネでもいいと思う。そして、その発言が受け入れられる環境が整ってこそ、ドイツ代表の結束はさらに強まるだろう。
W杯連覇を成し遂げる実力があることは、スペイン戦で改めて証明された。その可能性を高める鍵は、ヤングタレントたちの精神面を含めた成長かもしれない。