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男子スピードスケートも凄かった!
小田卓朗、清水宏保以来の快挙とは。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byRyosuke Menju/JMPA
posted2018/03/04 11:30
趣味は「肝試し」と書くなどお茶目な一面もある小田。平昌での健闘を土台に、その度胸で頂点を狙う。
「4年後には1位が獲れるチャンスがある」
「五輪という舞台で1500mではナウシュと、1000mではシャニー・デービスという偉大な選手と同走できるのが光栄でした。同走の2人に感謝したい。レース前は絶対負けないという気持ちで臨めたし、レース内容に関しては言うことはありません」
北海道・浦河町から山形中央高校へ進み、高校3年で全日本距離別選手権の男子1500mを制した逸材だ。コーナーワークに難があることで早大時代はなりを潜めていたが、昨年12月から使い始めた新しいブレードがピタリと自分にはまり、急激に伸びてきた。ブレードは、小平奈緒も使っている「サファイア」という製品。使い始めてからまだ2カ月余りということで、今後への期待もさらに膨らむ。
「2種目ともメダルまでもう少し届かない順位だったが、今は伸びしろを感じている。僕はまだスケーターとして完成していない。次の4年で、4、3、2と順位を上げていき、そうすれば4年後には1位が獲れるチャンスがあると思う。そういう可能性を感じている」
平昌五輪では女子の活躍がすさまじく、男子は目立たなかったが、小田のように未来への希望を感じさせる選手は少なくなかった。男子500mでは山中大地が5位、加藤条治が6位。男子チームパシュートも2大会ぶりの五輪出場で5位になった。
「男子はメダルを取れなかったが、世界に迫っているという明確な結果が出ている。男子は次の4年にむけてここからがスタートになる。僕もここで終わるつもりはない。4年後は表彰台に立ってそこからの光景を見たい。今は悔しいですけど、この結果を受け止めて、『4年後見てろよ』という気持ちでがんばりたい」
上昇カーブの第一歩を踏み出し、力強くそう言った。