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スキー&スノボで金、日本人選手も。
今後の五輪は“二刀流”がトレンド?
posted2018/03/03 17:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
2月24日、冬季五輪史上初の快挙が生まれた。この日行なわれたスノーボード・女子パラレル大回転を制したのはエステル・レデツカ(チェコ)。実は彼女は、スノーボードに先駆けて、スキーアルペンのスーパー大回転でも金メダルを獲得している。異なる競技で同じ大会に出場し、2冠を達成したのである。
レデツカは、もともとはスノーボード世界選手権で優勝するなど、スノーボーダーとして活躍してきた選手だ。だからスキー・アルペンで優勝した際、世界的に大きなニュースとなった。レデツカ自身、1位と表示された掲示板を見て「機械のミスでしょう? 少し待ったら直るかなと思っていました」と驚きを隠せなかった。
そして本来の種目スノーボード・パラレル大回転でも優勝。冬季五輪の歴史に名を刻むことになった。
スキーとスノボはやはり「別物」。
スキーとスノーボードは、雪上を滑るという点では共通するが、それぞれの選手の声を聞くと、やはり「別物」だと言う。そういう意味でも、別競技の種目に出場して五輪表彰台の真ん中に立ったレデツカの活躍は傑出している。
また、スピードスケート女子1000mを制したヨリン・テルモルス(オランダ)も異なる競技に同大会で出場した。ショートトラックにも出場し、女子3000mリレーで銅メダルを獲得、レデツカに先んじて、1大会で2つの競技のメダルを手にした初の女子選手となった。
今大会ではほかにも、「競技を越える」選手が目立った。
例えば、アンナ・ガッサー(オーストリア)。スノーボード・ビッグエアで3回目にハイレベルの技を成功させ、大逆転で優勝を果たした。
ガッサーはもともと体操選手で、ナショナルチーム経験もあるという。その後体操を離れ、スノーボードをはじめてつかんだ金メダルだった。