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極寒と不安山積の平昌五輪だが……。
現場のボランティア、市民は温かい。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byTakaomi Matsubara

posted2018/02/12 08:00

極寒と不安山積の平昌五輪だが……。現場のボランティア、市民は温かい。<Number Web> photograph by Takaomi Matsubara

様々な懸念はあれど、平昌の人々が五輪を盛り上げたいと思う気持ちは、ボランティアスタッフの評価を見れば分かるだろう。

現地のボランティアスタッフには各国から高評価。

 大会前からの課題を裏付けするかのように、不安材料が見える平昌五輪。ただ一方で、運営スタッフやボランティアスタッフ、市民の対応は海外の記者も含めて、高い評価を得ているのも確か。

 何度かオリンピックを取材している記者の間では、特に高評価だ。

 何か尋ねられたときにいやな顔や面倒くさそうな態度をまったく取らないこと(そうした対応は、過去の大会では少なくなかった)、機敏かつ陽気に接してくれるのが、その高評価の理由だという。まあ、小さなトラブルはあるのだが……。

 例えばある記者は、プレスセンターでインターネットにつながらなくなり、ボランティアスタッフに相談した。すると役目を終えていたスタッフは懸命に各所に連絡をとり、その周囲には助っ人として他のスタッフが駆け寄り、各々知恵を絞って考えてくれたという。

「30、40分もかけて解決してくれて、その懸命な姿は印象的でした」

 と語る。何よりも、街中での治安面での不安が少ないことも評価につながっている。

手袋にICが内蔵され、お金が簡単にチャージできる。

 キャッシュレス率は日本をはるかに上回る韓国だけに、その面でもユニークな試みがされている。クレジットカード会社のVISAによるもので、手袋など小物類にICが内蔵されていて、お金を簡単にチャージできるというものだ。カードを取り出さず、手袋のまま決済できるサービス。これも、ある意味では寒さ対策の1つと言えるのではないか。

 こうして、不安材料も抱えつつ、交通誘導、会場案内など各所でスタッフたちは懸命な姿が際立つ平昌五輪は、いよいよ本格的に始まった。

 25日まで選手たちの4年の思いを込めた戦いが続いていく。

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