ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
中邑真輔のとんでもない快挙は続く。
ジャパニーズプロレスがWWEを席巻!
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byMediaPunch/REX/Shutterstock/AFLO
posted2018/01/31 08:00
「ロイヤルランブル」を制した中邑。歓喜のイヤァオ! をWWE世界王座奪取の瞬間にも見せてほしい。
天龍&北尾はゲスト出場、曙は“相撲対決”。
この中で、天龍&北尾は当時所属していたSWSとWWEの提携関係からのゲスト出場の意味合いが強く、TAJIRI、ウルティモ、フナキは9人参加のクルーザー級勝ち抜き戦、ヨシ・タツとヒデオ・イタミは「アンドレ・ザ・ジャイアント・メモリアルバトルロイヤル」出場者のひとりとしての登場であり、曙はビッグ・ショーとの“相撲対決”だった。
つまり、中邑が「レッスルマニア」の主要カードに名を連ねたこと自体が、すでに日本人初の快挙なのだ。
中邑真輔 vs. AJスタイルズといえば、2016年1月4日、新日本プロレスの東京ドーム大会でIWGPインターコンチネンタル選手権試合として名勝負を展開したカード。中邑、AJにとって、この一戦が“最後のイッテンヨン”にもなっている。
コア層ほど新日本への関心が高まってきている。
そして「レッスルマニア」という大舞台で、“イッテンヨン”の続編ともいえる中邑 vs. AJスタイルズが組まれることは、WWEが新日本プロレスを意識し始めた証拠、という見方も一部でされている。
現在、新日本プロレスは、「NJPWワールド」という課金制動画配信サービスなどを通じて、日本だけでなく、アメリカおよび、世界各国で急激にファンを増やしている。とくにアメリカでは、コア層ほどWWE以上に新日本への関心が高まってきているのだ。
「レッスルマニア」での中邑真輔 vs. AJスタイルズという、“ストロングスタイル”の真髄とも言えるカードは、WWEによる、そんな新日本へのカウンターであり、“ジャパニーズスタイル”という新たなトレンドをも飲み込み、自分のものにしようとする姿勢のあらわれとも言える。