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プロレス界に「もう1人の清宮」。
ノア待望の次世代スター選手の素顔。
posted2018/02/15 11:00
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
日本で今、スポーツ紙に「清宮」とあれば、プロ野球の清宮幸太郎のことだ。
清宮というプロレスラーがいることなど、プロレス・ファンでない限り一般の人はほとんど知らないだろう。
サッカーの話だが、イタリアにロベルト・バッジョという選手がいた。'80年代後半から'90年代に活躍した世界的スーパースターだったが、ある日、彼の前にもう1人のバッジョが現れた。
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ロベルトよりも体の大きいディノ・バッジョという選手でユベントスやイタリア代表でも活躍して、大事な試合でゴールも決めた。
いつしか……英語圏のテレビのアナウンサーはディノの方を“Another Baggio(もう一人のバッジョ)”と呼ぶようになっていたのを記憶している。
清宮の姿に三沢光晴をダブらせている人も……。
ノアのプロレスラーである清宮海斗はデビューして2年ちょっと、21歳のグリーンボーイだ。
だが、リングサイドの熱心なファンは彼の前座時代から、この男に密かな希望と期待を抱いて熱い視線を投げてきた。
ドロップキックがきれいだったからだろうか。
やられても、やられても立ち上がっていく姿に感情移入が容易だったのかもしれない。
緑のショートタイツがノアという団体を十分意識しているように感じたからかもしれない。
あの三沢光晴とダブらせて、いま「再生」をうたっているノアに、希望の光を少しでも見出そうとしたのかもしれない。
デビューしたばかりの清宮には、なぜかそういうものを感じさせる存在感があったのだ。