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筒香嘉智も言及、少年野球の大問題。
プロ側からも勝利至上主義改善を! 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byHideki Sugiyama

posted2018/01/19 17:00

筒香嘉智も言及、少年野球の大問題。プロ側からも勝利至上主義改善を!<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

野球普及へ積極的な行動を見せている筒香。ベイスターズや侍ジャパンの主砲は、球界の将来を案じている。

底辺拡大の一方、どこが一番強いのかが盛り上がる。

 大会ができる前年の1993年にはJリーグが開幕してサッカーブームが巻き起こり、野球人気の低迷が叫ばれていた。特に子供の野球離れが指摘され、その頃から底辺拡大は球界の一大テーマだった。

 実は当時スポーツ紙で巨人担当キャップをしていた筆者は当時の巨人・保科昭彦代表から、球団創設60周年イベントとして子供達に訴求できるものはないかと相談を受けたことがあった。そこで「今は別々でいがみ合っていると言われる少年野球の各団体をまとめて、日本一を争う大会を開催してはどうですか?」と提案した。すると後に同代表から「あのアイデアをやることになったよ」と言われた経緯があるのだ。

 もちろん野球の底辺拡大のための大会という思いだったし、それまでバラバラだった少年野球の組織がある程度、同一歩調を歩むきっかけになればという思いもあった。ただ、その手段は今思うと、まさに勝利至上主義だった。中学生にも高校野球と同じように、どこが一番強いのかを決める戦いをやらせれば盛り上がる。それしかなかったのである。

プロ球団主催のカップ戦は夏休みに大会が集中。

 その後、ジャイアンツカップは巨人と読売新聞社が大切に育て、今は日本野球連盟公認の中学生の大会として定着している。またその後には野球の普及事業として他球団も同じような中学生球児を対象とした野球大会を開催するようになった。今は広島を除く11球団がそれぞれ本拠地を中心にしたエリアでのカップ戦に携わっているというのが現状だ。

 ただ、そこに問題があるという。

 それぞれの少年野球組織は、2月から11月に大会が集中し、全国大会を持っている。その全国大会の予選から本大会が夏休みの7月から8月に集中し、プロ球団主催のカップ戦も7大会が8月開催だ。そうしてその最後に位置するのがジャイアンツカップなのである。

【次ページ】 中学生以上の大会では投手の球数、連投制限はない。

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