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10年間の球団ランキングとドラフト。
成功選手が少ないのは中日と……。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNanae Suzuki
posted2018/01/02 11:30
ここ10年のプロ野球を牛耳るソフトバンクで、2017年最大の発見となった甲斐拓也。
5年連続Bクラスの中日が、過去10年で見ると2位。
パ・リーグはわかりやすいが、問題はセ・リーグである。
5年連続Bクラスの中日が、過去10年間で見ると2位に浮上するのが目を引く。
広島は過去5年間で優勝2回、Aクラス4回の上位球団だが、それ以前の5年間はBクラスに沈んでいるので3位。
2年連続で3位と頑張っているDeNAだが、'08~'15年は最下位6回だったので、10年間で見ると6位なのは仕方のないところだろう。
この10年間の通信簿を頭に入れて、今度は過去10年間のドラフトを見ていこう。
過去10年にドラフトで獲得した選手の成功率は?
見ていくのは、過去10年のドラフト獲得選手の中に、どれだけ「成功選手」が含まれているか。ちなみに、私が普段成功選手の基準にしているのは、投手は「50勝(1セーブは0.5勝)、300試合」、野手は「500安打、1000試合出場」だが、過去10年ではまだそこに到達していない選手もいる。
そこで、投手は「プロ在籍1年あたり20試合・4勝・8セーブのうち1項目」、野手は「プロ在籍1年あたり80試合・40安打のうちの1項目」とし、タイトル獲得選手も成功選手に入れた。
タイトルは、投手なら最多勝、最高勝率、最優秀防御率、最多奪三振、最多セーブ、最優秀中継ぎ、新人王、ゴールデン・グラブ、ベストナイン、MVP、正力賞、沢村賞。
野手なら首位打者、本塁打王、打点王、盗塁王、最多安打、最高出塁率、新人王、ゴールデン・グラブ、ベストナイン、MVP、正力賞である。
ソフトバンクの新鋭、上林誠知は昨年ブレークしたと言っても在籍4年で126安打なので成功選手に入らないが、在籍7年で49安打の甲斐拓也は'17年にベストナインとゴールデングラブを獲得したので成功選手とした。
また育成ドラフト出身の亀澤恭平(ソフトバンク→中日)は支配下登録されてから通算3年の選手なので、通算190安打でも成功選手とした。この通り、成功基準は全体的にかなり甘めに設定している。
[パ・リーグ各球団の成功選手]
ソフトバンク 11人(タイトル獲得6人)
日本ハム 13人(タイトル獲得7人)
西武 15人(タイトル獲得7人)
ロッテ 14人(タイトル獲得5人)
楽天 11人(タイトル獲得1人)
オリックス 16人(タイトル獲得1人)
[セ・リーグ各球団の成功選手]
巨人 11人(タイトル獲得4人)
中日 8人(タイトル獲得2人)
広島 12人(タイトル獲得6人)
阪神 9人(タイトル獲得2人)
ヤクルト 8人(タイトル獲得3人)
DeNA 16人(タイトル獲得5人)