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ダルビッシュ有が英語で就職活動中。
行動で示すこれからの野球選手像。 

text by

ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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photograph byAFLO

posted2017/12/23 09:00

ダルビッシュ有が英語で就職活動中。行動で示すこれからの野球選手像。<Number Web> photograph by AFLO

先月にはゴシップサイト「TMZ」の直撃取材を受けたが、英語で堂々と対応した。

通訳を介さずに対話をすることは、とても普通のことだ。

 日本のプロ野球選手はアメリカに野球をしに行く。

 英語を勉強しに行くわけではない。だから、メジャーリーグ移籍を目指して「就職活動」を行う時、普通は第三者≒代理人や通訳を介して自分の意思を伝え、相手の意向を探ることになる。

 だが、通訳を介さずに相手の言語=英語で対話をすることは本来、とても普通のことである。ダルビッシュが今までの自分に違和感を持っていたかどうかは分からないが、彼がやっているのはそういうことなのかも知れない。

 普通のこと。しかし、それは前例がない「チャレンジ」であり、「誰かがやらなければならなかった」ことなのかも知れない。

ダルビッシュはいつだって一歩先を歩いていた。

 彼のように現役バリバリのプロ野球選手が普通に英語を話す時代が来れば、通訳を付けることが当たり前になっている「日本人選手」に対するアメリカの評価も変わってくるだろう。

 通訳がいることを普通に受け入れている日本のファンの「プロ野球選手」に対する見方も変わってくるだろう。

 それこそ、Lead by example=行動で示す、だ。考えてみれば、ダルビッシュは既存のメディアやSNSを通じて沢村賞の選考やトレーニングの方法など、メジャーリーグ=外国にいるからこそ感じる「日本への違和感」をはっきり口にしてきた。

 それらはある種の「問題提起」になっていて、今回の「英語での就職活動」も「これからメジャーリーグで戦う日本のプロ野球選手のあるべき姿」を提示しているような気がする。

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