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ダルビッシュ有が英語で就職活動中。
行動で示すこれからの野球選手像。

posted2017/12/23 09:00

 
ダルビッシュ有が英語で就職活動中。行動で示すこれからの野球選手像。<Number Web> photograph by AFLO

先月にはゴシップサイト「TMZ」の直撃取材を受けたが、英語で堂々と対応した。

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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 今から20年以上も前の話だ。アメリカで普通に「就職活動」をしたことがある。

 地元の私立大学にやって来る交換留学生以外には日本人など見かけない田舎町だったので、日系企業など存在しない。面接の相手はこちらの履歴書を見て「日本語が話せる日本人だ」と認識していたが、そこに利点はまったくなかった。

 人口10万人ぐらいの小さな町にも「職業紹介所」みたいな場所があり、「就職活動」する際には自分には何が出来て、どんな条件で働きたいのかといったことを英語で説明しなければならなかった。

 相手の問いかけに想像力を最大限に働かせて答え、自分と相手の双方が満足できるような言葉を探した。その作業は疲労感とストレスを伴ったが、相手の考えていることをしっかりと理解できればカタルシスのようなものが得られた。

 自分の考えが相手に伝わればその喜びは大きかった。会話の内容が難しくあればあるほど「得るもの」は大きかった。

英語でのミーティングに臨んだダルビッシュ。

 フリーエージェント(FA)のダルビッシュ有投手がシカゴ・カブスと面談したというニュースを読んだ時、その頃の気持ちを思い出した。日本のメディアと深く関わるようになって日本語に浸かる頻度が増え、いつの間にか忘れていた「外国で生活する気持ち」を思い出したのかも知れない。

「自分なりに英語を次のステップに持って行きたくて、通訳なしで3時間半ミーティングしました^-^最初は慣れてない相手と話す+緊張から言葉に詰まって焦りまくったけど途中からは大丈夫でした」

 ダルビッシュはTwitterでそう綴った。

「ただ質問が多かった分発言の機会が多く、かなり脳を使ったためここ10年で一番疲れたんじゃないかってぐらい疲れました。。また明日も英語頑張ります(^^) やっぱりビビってできないって引っ込むより、チャレンジした方が上達速いですね。ドジャースに行って気づけました(^^)」

【次ページ】 通訳を介さずに対話をすることは、とても普通のことだ。

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