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指示を待ち、自分で判断ができない。
バスケW杯予選で露呈した“日本病”。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2017/12/08 10:30
W杯予選での連敗スタート。この事実と向き合うことで、日本は少しずつ強くなるしかない。
コート上で判断するのは選手自身である。
日本人のストロングポイントとして、指示遂行能力の高さがよく挙げられる。ただその傾向が強くなりすぎると、コート上で判断するのは選手自身であるという前提が崩れてしまう。これはバスケットボール界だけに限らず、サッカーなど他のスポーツでも見られる課題だ。今回のバスケW杯予選でも、前半の20分近くをその修正で費やした感がある。
世界との差を埋めるために何が必要か。それは各自が差を縮めるために何が必要なのかを感じ取り、普段のトレーニングや試合で問題を解決することに他ならない。
その意味で、フィリピン戦後の主力選手の反応は興味深いものだった。
富樫は敗戦後でも落ち着いて話をするタイプだが、こうこぼしていた。
「戦ってはいたんですけど、勝てなかった。特にホームで勝てなかったので、個人的にはまだ切り替えられてはいないんですけど……」
成長するために本気で悔しがり、必要なものを探せ。
この日チーム最多の20点を記録した比江島慎も、自身の活躍については眼中にないといわんばかりに悔しさをあらわにした。
「3点差に迫ったところで、自分が守備のマークをスイッチをして、(相手のエースである)J・ウィリアムに3ポイントを決められた。そこは本当に……。『ノースリー(3ポイントを打たせるな)』と言われているのに、打たれてしまって、やられてしまって、本当にそこには悔いが残っています」
成長するためには本気で悔しがり、足りないものを補うために必要なことを自らの頭で考えることが大事だ。
W杯予選初戦で味わったものと、毎日、本気で向き合い続けられるか。当たり前のようで、簡単ではないこと。それが出来るかどうかに、未来はかかっている。