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指示を待ち、自分で判断ができない。
バスケW杯予選で露呈した“日本病”。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2017/12/08 10:30
W杯予選での連敗スタート。この事実と向き合うことで、日本は少しずつ強くなるしかない。
富樫は第3Qの戦い方に課題を感じていた。
2003年以来、公式戦で勝てていないフィリピンに勝利する。それがW杯、そして東京オリンピック出場権獲得への第一歩のはずだった。
試合は第1Qの立ち上がりで、いきなり12点差をつけられた。食い下がる日本は、第3Qに入ってから2度にわたり逆転したものの、最終的にはジリジリと引き離された。
ポイントガードで先発した富樫勇樹はこう話した。
「第4Qで離されるというのは、今までやってきた実力の差と思います。ただそれ以上に、第3Qです。一気に逆転できそうなところで、リードを奪い切れなかった。そこが一番大きかったな、と強く感じています」
選手が自主的な判断をできてなかった?
この試合に向けた練習ではリバウンドと守備にフォーカスして、試合でもその成果はある程度見られた。リバウンド総数では2本差で負けたが、オフェンスリバウンドは相手と同じ13本を記録。そして課題の守備でも粘りを見せた。
「ディフェンスも大きな問題はなく、相手のシュートパーセンテージを38%台(38.8%)に抑えることが出来て、良かったと思っています」
そう、ラマスHCも認めている。
では足りなかったものは何か。まずは試合終盤のディフェンスにおける強度と集中力だ。常に相手を追いかける展開で、疲労が蓄積したのが要因だった。またオフェンス面でも、1つ大きな課題があった。その点を指摘したのは司令塔の富樫勇樹だ。
「細かい動きや戦術なども修正点ですが、最初は全員が同じような動きをしていた。(ハーフタイムには)自分たちの今までやっていた感覚でやれ、という話になりました。選手それぞれが得意なプレーを出す。その成果が第3Qに出た。その攻撃を1Qの最初からやらないといけないなと感じました」
オフェンスについてはラマスHCがベンチから出て、事細かに指示する場面が何度も見られた。ただし指示に忠実すぎるあまり、選手が自主的な判断ができていない印象を受けた。それは特に、リードを大きく奪われた第1Qに見られた。