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昔はぽっちゃり、今は待望の大砲。
バレー大竹壱青がドイツで開花間近。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byNoriko Yonemushi
posted2017/12/06 10:30
ブンデスリーガ1部の開幕戦では、全日本のチームメイト、柳田将洋のTVインガーソル・ビュールと対戦。3-0で勝利を収めた。
「言葉が話せないのは、ちっちゃなストレス」
10月14日のドイツリーグ開幕を前に、大竹はやや不安げだった。
「一番は、言葉が話せないということが、ちっちゃなストレスになっています」
ラインマインでは、ヴァーム・ミシェル監督がドイツ語で指示を出し、大竹などドイツ語のわからない選手には、英語を話せるドイツ人選手が訳して伝える。昨季までは英語で指示していたが、今季は「選手が他の選手に英語で訳してヘルプしてあげることで、チーム内のコミュニケーションが高まる」という狙いでドイツ語を使っているという。
ただ、ドイツ語はまったくわからず、英語もままならない大竹にとっては苦痛で、練習中、孤独感に襲われることもあった。それでも小さなストレスで済んでいたのは、本人いわく「ストレスを感じにくい性格」と、得意の料理をしたり、休日には電車に乗って出かけるなど積極的に外に出て気分転換できていたからだ。
「でもこの先、時間が経つほど(ストレスは)大きくなっていくんじゃないか……」と不安を口にしていたが、帰国後の11月に話を聞くと、「大丈夫でした。慣れて楽しく生活してました」とあっけらかんと言った。
若手育成に熱心な指揮官の存在が救いだった。
時間を見つけてはインターネットで英語の文法を学んだり、形容詞のボキャブラリーを増やして、少しずつ言いたいことを伝えられるようになった。
それに加えて、若手の育成に熱心なミシェル監督の存在も救いだった。
ドイツ1部リーグは11チームからなる。上位4チームが抜きん出ており、ラインマインはその4チームに入る強豪で、昨季は3位だった。
それでいて非常に若手選手が多い。経験豊富なベテランを1、2人入れ、その他は若手で構成するというチームの方針があるからだ。まさに、育てながら勝つ、を実践しているチームである。