バレーボールPRESSBACK NUMBER
昔はぽっちゃり、今は待望の大砲。
バレー大竹壱青がドイツで開花間近。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byNoriko Yonemushi
posted2017/12/06 10:30
ブンデスリーガ1部の開幕戦では、全日本のチームメイト、柳田将洋のTVインガーソル・ビュールと対戦。3-0で勝利を収めた。
「甘いプレーがあると、年下にも怒られます」
また大竹は、自分より若い選手たちのプロ意識に刺激を受けたと言う。
「やっぱり覚悟が違いますよね……」と現時点での差を認めた。
「バレーだけで生きていく、というのは彼らからすごく伝わってきます。僕が甘いプレーをしたり、悪いところがあったら、年下の選手にも怒られます。バレーボールに対する熱は本当に熱い。練習中から簡単にミスは出せないですね」
大竹は大学卒業後、V・プレミアリーグの企業チームに所属する。来季以降も海外でプレーする可能性はあるが、その際はレンタル移籍のような形式になる。プロ選手と違い、たとえ海外で結果を残せなくても帰る場所があるということ。「そこは自分の中で甘えにならないようにしたい」と肝に銘じている。
「自分が海外でやりたいと思ったのは、全日本でしっかり活躍したい、全日本を強くしたいという気持ちがあったから。だからここに来ているので、それを忘れないようにやっていきます」
石川祐希の存在があったから、大竹が伸びた。
ドイツで予想以上にたくましく環境に適応しながらも、大竹はふとこうもらした。
「今ここにいるのって、奇跡じゃないかな」
海外リーグでプレーすることなど、以前の大竹には想像できなかった。
「中央大学に入っていなかったら、今の大竹壱青はなかったと思う」と言う。
中でも大きかったのは、同級生で全日本のエースでもある石川祐希の存在だろう。
どの大学に進むか悩んでいた時、「石川が壱青と一緒にやりたがっている」という話を伝え聞き、中央大進学を決めた。大学1年の時、石川がイタリア・セリエAのモデナに短期移籍したことで、海外への興味が湧いた。ミドルブロッカーから、ずっとやりたかったオポジットへの転向も、石川が背中を押した。