錦織圭、頂への挑戦BACK NUMBER
ビッグ5、次世代、そして錦織圭。
役者が揃えば来季は空前の激戦に。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2017/11/27 08:00
ATPファイナルズのガラに集まった出場選手たち。フェデラーやナダルの背後に、ズベレフやディミトロフなど次世代を担う若手が並ぶ。
フェデラーが口にした「復帰後」の難しさ。
世界は今年のフェデラーの鮮やかな復活劇を目の当たりにしただけに、昨年のフェデラーがしたように半年間“休養”した彼らにも同じことを当然のように期待しているところがある。しかしフェデラーはその楽観的な見方を牽制する。
「去年の僕も、今年の彼らも、あれ以上戦うことはできず、他に選択肢はなかった。休みたくて休んだんじゃない。その原因になった問題は、普通に考えれば何かしら影響を及ぼすはずで、復活には長いプロセスを要することを覚悟しないといけない。僕だって最初からあんなにうまくいくとは思いもしなかったんだ」
右肘、臀部、左膝、右手首……各選手の回復は未知数。
ジョコビッチは右肘、マレーは臀部、ワウリンカは左膝、錦織は右手首。
これがそれぞれの「問題」だが、今のところマレーと錦織はブリスベンからの復帰を予定し、ジョコビッチとワウリンカはアブダビでのエキシビション大会で始動することになっている。
ただ、マレーはまだ「体の調子はいい日もあれば悪い日もある」状態で、ワウリンカは8月に膝の手術をしてから初めての練習を今月になって始めたばかり。
ジョコビッチもコーチのアンドレ・アガシが「ケガから復帰すれば、彼は過去の自分さえ超えるだろう」と期待しながらも、まだフィジカルトレーニングがほとんどで通常にボールを打つまでには至っていない。
錦織も通常のボールを軽く打ち始めたのが10月のこと。手首というデリケートな故障部位を考えれば、予定している1月からの復帰の実現にはあまり大きな期待を寄せないほうがいいかもしれない。