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バスケW杯予選が開幕も、ひと波乱!?
新予選方式に各国代表選手から不満が。
posted2017/11/22 11:00
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Getty Images
11月23日から、世界各地で2019年FIBAワールドカップ出場権をかけた各大陸予選が始まる。日本代表も、11月24日に東京の駒沢体育館でフィリピン代表と対戦し、11月27日にオーストラリアのアデレードでオーストラリア代表と対戦する。
FIBAは今回から大陸予選のシステムを大きく変更した。これまで大陸ごとに1カ所に集まって集中開催していたのをやめ、1年余をかけてホーム&アウェイの試合を繰り返し、出場権を獲得していく方式を採用したのだ。FIFAワールドカップの予選方式をまねたものだ。
問題は予選開催の時期だ。あらかじめ定められた6回の開催期間のうち、4回は各国リーグの開催期間中にあたる。
サッカー界ではFIFAが定めた国際Aマッチデー制度の期間にはトップリーグが開催されない決まりになっている。FIBAも同じような仕組みを作ろうと、2015年に予選日程を発表し、各国リーグに試合日程を配慮するように求めたのだが、世界のトッププロリーグ2つがそれに従わなかった。
NBAとユーロリーグだ。
FIBAとしても、巨大組織で、レギュラーシーズンだけで82試合を戦う過密スケジュールのNBAが従わないのは想定内だったが、ヨーロッパの強豪クラブが参加するユーロリーグの協力も得られないのは想定外だった。
両者の間では今年9月まで交渉が続けられたが、結局、完全な調整はつかないまま時間切れとなった。
日本代表の予選に、八村と渡邊が出られない!
日本代表も、この新システムにまったく影響を受けないわけではない。
アメリカの大学に留学中の八村塁(ゴンザガ大)、渡邊雄太(ジョージワシントン大)らがシーズン中の11月と2月の予選には出場できないのだ。
ヨーロッパの強豪国にとっては、この問題はさらに深刻だ。
NBAやユーロリーグのチームに所属する各国選手は、それぞれの国のトップ選手たちばかりで、その数が国代表の強さを表すといっても過言ではない。それなのに、そのトップ選手たちを抜きに予選の試合が行われるのだから、予選での波乱も予想されるのだ。