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バスケW杯予選が開幕も、ひと波乱!?
新予選方式に各国代表選手から不満が。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2017/11/22 11:00
7月に行われたウルグアイとの代表戦にて。W杯の問題は、東京五輪に向けて急速に代表チームの強化が進む日本にとっても、非常に重要な問題である。
ベストメンバーではない場合のプラスの要素は?
トリアノは、各国のトッププレイヤーが代表として戦えないマイナス点を指摘した上で、新システムにはメリットもあると付け加えた。そう考えることで、カナダとしては前向きにこの問題に対応しているというのだ。
「マイナス面はNBAやユーロリーグに関わっている人全員にとって難しい状況になっていること。一番いい選手が国の代表として戦えないのだから。
プラス面は、過去には代表として戦う機会がなかった多くの選手たちが国を代表することができるようになったこと。私たち(カナダ代表)は、そうやって両面から見て考えている。ベストプレイヤーが出場できない時もあるかもしれないが、これまで以上に多くの人がカナダの代表としてプレーすることになった。
意味のある試合を国内でプレーすることができるのも、新システムのすばらしい部分だ。カナダの人たちも、国のベストプレイヤーたちがプレーするのを、テレビや伝え聞いた話ではなく、生で見ることができるわけだからね」
代表として国のために戦う機会を奪われた選手の反対意見も当然だが、その一方で、トリアノのような広い視点での考え方も一理ある。
何にしても反対意見も多い中で走り出したFIBAの新予選システム。この先しばらくは様々な論議を呼びそうだが、成否や真価を判断するには時間が必要なのかもしれない。