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バスケW杯予選が開幕も、ひと波乱!?
新予選方式に各国代表選手から不満が。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2017/11/22 11:00
7月に行われたウルグアイとの代表戦にて。W杯の問題は、東京五輪に向けて急速に代表チームの強化が進む日本にとっても、非常に重要な問題である。
ベストメンバーでないと予選突破が困難な国も。
スロベニア代表として9月のユーロバスケットで優勝し、大会MVPにも選ばれたゴーラン・ドラギッチ(マイアミ・ヒート)は、彼自身大会後に代表活動から引退しているが、それでも、FIBAの新システムについてはきっぱりと反対の意見を表明する。
「(シーズン中に行われる)予選の試合にはベストプレイヤーたちが出場できない。そういった選手が多くいる国は、彼らがプレーできないから予選を勝ち抜くのが難しくなる。国によってそれぞれ状況は違うけれど、僕は新しい方式はあまり好きではない。今まで通りに夏に大会が行われるほうがいい」
シーズン中に代表チームが母国で戦えるメリット。
もちろん、新システムにはメリットもある。
FIBAの狙いとしては、バスケットボールのシーズン中に、それぞれの代表チームが母国のファンの前で本気の試合を戦う機会を増やすことで、世界中のバスケットボール・ファンを増やそうというものだ。
ガソルも言ったように、バスケットボールの人気は多くの国で、まだサッカー人気に後れを取っている。その差を埋めるためにFIBAが打ち出した改革なのだ。ただ、もし、この新システムによって強豪国がFIBAワールドカップ出場を逃すようなことがあれば、そのあり方を問う声も当然出てくるだろう。
アメリカ代表もシーズン中の予選はほぼマイナーリーグのGリーグに所属する選手だけでロスター構成されており、ヘッドコーチも、グレッグ・ポポビッチ(サンアントニオ・スパーズHC)に代わり、元NBAヘッドコーチで現在はテレビ解説者のジェフ・バンガンディが務める。
それでも、アメリカはコーチや選手層の厚さでは群を抜いており、おそらく問題なく勝ち抜くことができるだろう。
最近、力をつけてきているカナダ代表も、予選でヘッドコーチ、選手ともに別の組み合わせが必要な国だ。
本来のヘッドコーチ、ジェイ・トリアノは現在フェニックス・サンズの暫定ヘッドコーチを務めており、NBAシーズン中は若手年代の代表ヘッドコーチ、ロイ・ラナがA代表のヘッドコーチを務める。