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妙に連覇、連続2着が多いマイルCS。
タイキシャトル血統、あの馬は買い?
posted2017/11/18 09:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
なぜ、これほど連覇する馬や、2年連続2着になる馬が多いのだろう。
今年で34回目を迎えるマイルチャンピオンシップ(11月19日、京都芝外回り1600m、3歳以上GI)では、ニホンピロウイナー、ダイタクヘリオス、タイキシャトル、デュランダル、ダイワメジャーと、連覇した馬が5頭も現れている。2年連続2着だった馬も、バンブーメモリー、エイシンプレストン、スーパーホーネット、フィエロと4頭もいる。
同じマイルGIの安田記念を連覇したのはヤマニンゼファーとウオッカだけで、2年連続2着になった馬は一頭もいない(グレード制が導入された1984年以降)のとは対照的だ。
実は、似たような現象がスプリントGIでも起きている。スプリンターズステークスが秋開催のGIになった1990年から今年まで、連覇した馬はサクラバクシンオー、ロードカナロア、レッドファルクスの3頭。2年連続2着はヤマニンゼファー、ビコーペガサス、アグネスワールド、デュランダルと4頭いる。
それに対し、高松宮記念を連覇したのはキンシャサノキセキだけで、2年連続2着になったのもサンカルロだけだ(スプリントGIになった1996年以降。'96、'97年は「高松宮杯」)。
秋は、連戦に耐えうるタフさが求められる。
春だと年をまたいで好走するのは難しいのに、秋だとたくさん現れるのはなぜか。春は、多くの有力馬がフレッシュな状態で出てくるから混戦になり、秋は、強さだけではなく、連戦に耐えうるタフさが求められるから、複数年にわたって活躍できる馬が限られてくる、ということだろうか。
これまでマイルチャンピオンシップを連覇した5頭はみな、連覇したシーズンを最後に引退し、種牡馬になった。そして、同時代にダイイチルビー、ニシノフラワーといった快速牝馬がいたダイタクヘリオス以外は、最優秀短距離馬(1992年までは最優秀スプリンター)のタイトルを獲得している。
なかでも、タイキシャトルは、マイルチャンピオンシップ連覇を果たした1998年、短距離馬として初めて年度代表馬となり、スプリンター、マイラーの地位向上に大きく貢献した。