卓球PRESSBACK NUMBER

平野美宇のチキータが読まれた!
卓球W杯、徹底マークに見えた課題。 

text by

高樹ミナ

高樹ミナMina Takagi

PROFILE

photograph byAFLO

posted2017/11/05 09:00

平野美宇のチキータが読まれた!卓球W杯、徹底マークに見えた課題。<Number Web> photograph by AFLO

各国から厳しいマークを受けることになった平野。それはトップクラスの選手であると認められた証拠でもある。

「五分五分になると得意な部分がなくなる」

 3位決定戦を戦ったチェン・イーチン(台湾)は、昨年のワールドカップ決勝で平野が倒した相手だった。しかし、今回は競った場面になるとチェン・イーチンが平野のミスを誘いポイントを奪う場面が頻繁に見られた。このあたりに台湾も平野対策を強化していることがうかがえる。

 対する平野も第1ゲームに続き、接戦で第3ゲームを奪ったものの、そこからうまく流れをつかめなかった。第4ゲーム以降はやはりチェン・イーチンの攻撃が上回り、ゲームカウント2-1から逆転負け。この一戦は平野の敵が今や中国だけでないことを物語っている。

「打ち合いでは負けていないけど、五分五分の展開になった時に自分の得意な部分がどんどんなくなっていって、通じなくなってしまう」と平野は率直な感想を口にしているが、これこそが今年の世界選手権(5月29日~6月5日/デュッセルドルフ)以降、平野陣営の抱える切実な課題である。

 この現状を打破したい陣営は、技術と戦術の向上からワンランク進んだ、戦術の「使い方」の修得に力を入れている。平野も技術やスピードでは中国選手と互角でも、戦術の差で大きく水をあけられている状態にあるのだ。

 戦術は、いわば企業秘密みたいなもので、なかなか明かしてもらえないが、中澤コーチが可能な範囲で、平野が身につけようとしている戦術の使い方について聞かせてくれた。

平野に足りないものは臨機応変な対応。

 中澤コーチはかつて平野の専属コーチをしており、もともと安定志向だった平野のプレースタイルを超攻撃型に変えた。現在は平野の所属するJOCエリートアカデミーで女子選手全体を見る立場にいるが、今回は久々にワールドカップに帯同し、平野をしっかりと支えた。

 そんな中澤コーチは今の平野に足りない要素として、「臨機応変な対応」を挙げる。

「ライバルたちに研究されるようになって、平野自身も一つの技術や戦術では通用しないと認識し、技術も戦術もパターンを増やしてきました。でもそれも突破されてしまいますから、増やした技術や戦術をどう使うかが課題になってきます。それには相手に対してもう少し臨機応変に対応することが必要なのですが、平野はそこがまだうまくできていません。だから自分の戦術が順調に運べている時は爆発力があっても、相手の戦術に崩された時はなかなか立て直しが利かず、負ける時はダダダッと一気に負けてしまいます」

【次ページ】 自分の戦術パターンを自ら突破することが必要

BACK 1 2 3 4 NEXT
平野美宇
東京五輪
オリンピック・パラリンピック

卓球の前後のコラム

ページトップ