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W杯で見えた中国の“本気”と、東京五輪に向けての強化の課題。~日本が台頭する卓球界で、“一強”にどう抗うか~
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAFLO
posted2017/11/21 16:30
今回のW杯では中国勢の徹底した平野対策に苦しめられた。中国Sリーグ参戦が消滅したなかで進化の道を探る。
試練の逆風が現実に影を落とし始めたのか。五輪、世界選手権と並ぶ卓球の世界3大大会の一つ、女子W杯が10月27日から29日までカナダ・マーカムで行なわれ、女子シングルスで連覇を狙った平野美宇(世界ランキング6位、エリートアカデミー/大原学園)は4位に終わった。また、石川佳純(同5位、全農)は1回戦で世界42位の李皓晴(香港)に敗れ、そろって表彰台を逃した。
昨年、16歳で最年少優勝を飾って旋風を巻き起こした平野は、準決勝で世界4位の劉詩ブン(中国)に0-4で完敗した。第1、2ゲームは5-11、7-11と粘ったが、第3ゲームはわずか1点。第4ゲームも6点で落とし、「まったく勝ちが見えない試合をしてしまった」と肩を落とした。