藤田俊哉の日欧蹴球比較論BACK NUMBER

サポーターの喜ぶプレーは国で違う。
藤田俊哉がリーズで感じた“英国流”。

posted2017/09/27 11:00

 
サポーターの喜ぶプレーは国で違う。藤田俊哉がリーズで感じた“英国流”。<Number Web> photograph by Toshiya Fujita

かつてCLでベスト4に入ったこともあるリーズ。イングランドへと移ってオランダとはまた別のフットボール文化を体感している。

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藤田俊哉

藤田俊哉Toshiya Fujita

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Toshiya Fujita

 VVVフェンロ(オランダ)からリーズ・ユナイテッド(イングランド)に移籍して3カ月。両国のフットボール文化を肌で感じ、違いがこんなにあるものなんだと知った。

 印象的なのは、エランドロード(リーズのホームスタジアム)で初めて試合観戦したときに見た応援スタイルの違い。実は私と地元サポーター達との間で、好プレーを讃える拍手や歓声にズレが生じていた。試合観戦でこれほどはっきりした違いを感じたのはイングランドが初めてである。

 これまでオランダはもちろん、ドイツやベルギー、スペインやイタリアでもたくさん観戦してきたが、そのようなズレを感じることは一度もなかったので、不思議な気分になったことを覚えている。

「サポーターが興奮、熱狂するポイント」のズレ。

 長年携わってきたフットボールにおいて、こんなことがあるのかという思いを抱いた。具体的に言えば「ゲームを楽しむポイント」、「サポーターが興奮、熱狂するポイント」のズレ。つまり好むプレースタイルにはっきりとした違いがあるのだ。

 テクニカルで華麗なプレーに歓声が沸くオランダ。その一方でイングランドではタックルやボディコンタクトなどのプレーが好まれ、ハードワークする姿はとくに賞賛される。そのような情報は以前から理解していたつもりだったが、実際にスタジアムで感じたその志向は私の想像をはるかに超えていた。

 ヨーロッパのフットボールといっても各国にはそれぞれのスタイルがあり、国民性の違いからプレーの好みが生まれる。それぞれに自分達が作り上げたスタイルへの自負があり、誇りを持って力強く応援しているのだ。

 各国のプレースタイルを比較し、クラブチームのプレースタイルを考えていくと、より文化の違いがわかりやすいのではないか。

【次ページ】 支配するオランダ、実直なドイツ、想像力のスペイン。

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