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<W杯南米予選も佳境へ>
ブラジル&アルゼンチン「強国の明暗」
text by

沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2017/09/25 06:00

スコアレスドローで、出場10カ国中5位。このままならオセアニア地区1位との大陸間プレーオフへ――結果だけ見れば「アルゼンチン、大丈夫か」と危惧する人がいるかもしれない。しかし、この試合の内容と今後の日程を勘案すると、この超大国が予選を突破するのは間違いない。そう確信できる、アルゼンチンの戦いぶりだった。
8月31日夜、ウルグアイの首都モンテビデオのセンテナリオ・スタジアムで行なわれた2018年ワールドカップ(W杯)南米予選。第1回W杯開催のために建設された「サッカーの世界遺産」は6万人の観衆で超満員。アルゼンチンから数千人のサポーターがやって来て、スタンドの一角で声を張り上げ、痛烈なブーイングを浴びている。
試合前の状況は、ウルグアイが2位コロンビアと勝ち点1差の3位(勝ち点23)で、4位チリ(同23)を挟んでアルゼンチンが5位(同22)。しかもエクアドル(同20)、ペルー、パラグアイ(いずれも同18)が間近に迫っており、結果次第では6位以下に転落する可能性があった。
アルゼンチンは、今年6月に就任したホルヘ・サンパオリ監督(前セビージャ)にとって初の公式戦。フォーメーションは3-4-3。絶対的なレギュラー、CBマスチェラーノ(バルセロナ)とCFイグアイン(ユベントス)を外し、長身のファッシオ(ローマ)を3バック中央に、若手CFイカルディ(インテル)をトップに抜擢した。3トップは、右からメッシ(バルセロナ)、イカルディ、ディバラ(ユベントス)。
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