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ネイマール加入でPSGはCL制覇できる?
『フランス・フットボール』が徹底検証。
posted2017/09/27 17:00
text by
パトリック・ウルビニPatrick Urbini
photograph by
Alexis Reau/L'Equipe
『フランス・フットボール』誌9月12日発売号は、チャンピオンズリーグ開幕を特集している。昨季はモナコが久しぶりにベスト4に駒を進め、このオフにはパリ・サンジェルマン(PSG)が超大型補強を断行して、地元の期待はいやがうえにも高まっている。
優勝の有力候補と目されるPSGだが、勝つための陣容と要素をすべて整えたのかと、パトリック・ウルビニ記者が疑問を呈している。いったいPSGのどこに不安があるのか。それは克服できるものなのか。ウルビニが分析する。
監修:田村修一
タレントは揃うが、それだけでCL制覇はなせない。
ネイマールとムバッペ、ダニエウ・アウベスの獲得によりパリ・サンジェルマン(PSG)は、チャンピオンズリーグでこれまで越えられなかった壁を乗り越える切り札を手に入れたと言われている。だが、今季ヨーロッパの頂点に立てるかどうかは、まだまだ不確かと言わざるを得ない。
「チャンピオンズリーグ優勝は、予定したから達成できるのではない。周到な準備があって、それははじめて成し遂げられる」
ヨーロッパでこの言葉は幾度となく繰り返されている。
他にも様々な条件はある。3~5月の時期にかけて、最高レベルの選手たちがトップコンディションを保ち続けること、怪我や出場停止により戦線を離脱しないこと、抽選で多少の幸運に恵まれ、ここ一番で決してしくじらないこと……。そのためには25人程度のトップクラスの選手たちが、グループを形成していることが前提であり、彼らがゲームをそつなくコレクティブに支配し、そのうえで決定的な仕事を成し遂げるストライカーと真のチームリーダーが、必要な瞬間にその役割を果たさなければならない。
フランスのサッカー専門誌である『So Foot』誌のインタビューのなかで、ウナイ・エメリPSG監督は次のように述べている。
「相手が誰であれ、またどんな状況であれ戦えるように、陣容を拡大しなければならない。プレーのあらゆる局面を支配し、ゴール前ではよりアグレッシブに。自分たちで試合を決めるために」