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韓国のしらけた9大会連続W杯決定。
最終予選の歩み、日本との違いって?
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byAFLO
posted2017/09/08 12:30
イラン対シリアの結果を受けて本大会出場が決まった韓国。選手たちは歓喜を爆発させるというより、安堵の表情を浮かべていた。
フランスW杯以降の本大会勝ち点を比べると。
とはいえ、相違点がありながらも大枠では似てくる。これが近年の日韓の代表チーム像だ。
ハリルホジッチのサッカーは過去のチームより「カウンターが多くなった」と言われ、これは“弱者の前提に立ったもの”と言われる。
実はこの考え方、前回のブラジルW杯時にホン・ミョンボ監督が志したものと似ている。ホン・ミョンボ監督は2013年6月24日の就任時に「本大会では韓国より弱い国はない。だからまず守備組織の構築を考える」と話していた。つまりホンは「韓国型サッカーの構築」を掲げたが、これはオシムの「日本化」と共通した考え方なのだ。
最後に韓国との比較からひとつ強調したいことがある。後で振り返った時に「ハリルジャパンは本大会の1年前が、チームのピークだった」とならないようにすること。この点からの厳しいチェックが必要だ。
アジア最終予選で「韓国、もたついてるなぁ」と感じる事象はもはや恒例となりつつある。
しかし結果的には本大会ではほとんど同じ成績になるのだ。両国がはじめて同時に出場した'98年大会以降、W杯本戦1大会あたりの平均獲得勝ち点(決勝トーナメントでのPK戦は引き分け換算)を算出してみた。日本3.2(計16)点で韓国4.2(計21)点。近い、というか、韓国に少し上を行かれているのだ。
グループステージなどでは韓国と日本が直接戦うわけではない。でも嫌韓だろうがなんだろうが、この国のサッカーシーンを眺めておくのは、決してマイナスはない。
他国との比較からは、日本の違う側面が見えるからだ。