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韓国のしらけた9大会連続W杯決定。
最終予選の歩み、日本との違いって?
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byAFLO
posted2017/09/08 12:30
イラン対シリアの結果を受けて本大会出場が決まった韓国。選手たちは歓喜を爆発させるというより、安堵の表情を浮かべていた。
「日本のほうが状況はいい」との見方。
筆者自身、長年サッカーでの日韓比較を続けてきた。相手からの情報を得たうえで、クリティカルな視点から日本に意見することが役割だと考えている。
しかし現状では1点だけ、はっきりとしている。
「日本のほうが状況がいい」
韓国でもこの見方は同じだ。韓国メディアは日本を引き合いに出して、自国の状況を批判する手法も活用する。日本の読者には「韓国は日本をつねに敵視している」というイメージがあるかもしれないが、実は「良いものは良い」と言い切るメンタリティがある。
「韓国は大一番でベテランを呼び戻してて……」
また韓国メディアから電話取材を受けることも多く、その際に韓国内で何をを強く問題視しているかがよく分かる。今回はサッカー専門誌からこんな問い合わせがあった。
以下、質問のやり取りを紹介する。
――日本はなんで、オーストラリア戦の大一番で、本田圭佑、香川真司、岡崎慎司を先発で使わなかったの?
「まず2列目にもともとボランチの山口蛍と井手口陽介を入れたのは、安全策というところもあるだろうね。前の方からの守備を重要視する。後方にアンカーを置いて、より中盤での守備を堅くする。4-1-4-1というか、4-1-2-3というか。最近の別のゲームではここに今野泰幸を置いたりもした」
――中盤を逆三角形に、ということね。じゃあ岡崎慎司はなぜ先発じゃなかったの? プレミアリーグでもゴールを決めていたのに。
「そりゃ単純に大迫勇也のプレーがいい、ってことでしょう。前線でのキープ力、見たことないの? チャンナニアニンデ(ハンパないよ)。で、何が聞きたいの?」
――韓国は大一番でイ・ドングッ(全北)、イ・グノ(江原)、ヨム・ギフン(水原)のベテランを呼び戻した。日本は同じく大一番でこれまで実績のある選手ではなく、若手を使ったというのに……その点を指摘しようと思って。