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NBA新シーズンを前に大型トレード。
カイリーが東京で明るかった理由。 

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長澤壮太郎

長澤壮太郎Sotaro Nagasawa

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photograph byBrian Babineau/NBAE via Getty Images

posted2017/09/05 11:00

NBA新シーズンを前に大型トレード。カイリーが東京で明るかった理由。<Number Web> photograph by Brian Babineau/NBAE via Getty Images

9月1日、ボストン・セルティックスの新入団選手会見で。カイリー・アービング(左)とユタ・ジャズから移籍したゴードン・ヘイワード。

サイドキックの役割から脱却したいという想い。

 オーナーや球団の立ち回りを目の当たりにしても、カイリーは真摯に自分の立場を受け止めた。

 しかしこの3年の間に、“サイドキック”の役割から脱却したいという想いは大きく膨らんでいったのかもしれない。そして自分に焦点を当ててくれたとしても、クリーブランドには残らないとの判断に辿り着いたのではないか?

 今度は、後者の謎について触れよう。なぜ彼は、このタイミングでトレード要求を出したのか?

 このタイミングには、いくつか不自然な点がある。

 普通に考えて、選手がトレード要求やFA宣言をするのは契約最終年の前後である。彼にはまだ契約が2年残っている。厳密にいうと、球団側はまだ彼を保持する権利があるので、トレード希望を出されても応じる義務はない。

 ここで興味深いのは、実はカイリーは王者に輝いた2015-16シーズン後すぐ、真剣にトレードを要求しようとし、考え直したという報道だ。

 その報道が正しければ、今回のトレード要求は、最低でも1年以上前から考えていたことになる。

3チーム間のトレードの噂が、本人の耳に入った。

 そして、今回の要求の引き金となったのが、ドラフト中に水面下でクリーブランド、フェニックス、インディアナの3チームが進めていたトレードに、カイリーが含まれていたという事実が、本人の耳に入ってしまったからだと言われている。

 またキャブスオーナーのダン・ギルバートは、このトレード話を事前にカイリーに通知せず、レブロンに「来季以降も長期でキャブスに所属してくれるなら、カイリーを放出して、ポール・ジョージを獲得するトレードを実行するけど、残ってくれる意思はあるのか?」と聞きに行っている。そこでレブロンから明確な返事をもらえなかったため、このトレードを見送った経緯がある。

 トレードは以前から抱いていた自らの欲求で、こうした要因が決定打となったのだとしたら、この不自然なタイミングも理解できる。

 皮肉なことに、レブロンが、クリーブランドに残るか去るかの返答を明確に出さなかったことが、間接的にカイリーを一時的にキャブスに残留させる結果となった。

【次ページ】 「もっとリーダー格になるの?」「そうだね」

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