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NBA新シーズンを前に大型トレード。
カイリーが東京で明るかった理由。
posted2017/09/05 11:00
text by
長澤壮太郎Sotaro Nagasawa
photograph by
Brian Babineau/NBAE via Getty Images
クリーブランド・キャバリアーズとボストン・セルティックスの間で、大型トレードが成立した。セルティックスはカイリー・アービングを獲得し、キャバリアーズはアイザイア・トーマス、ジェイ・クラウダー、アンテ・ジジッチ及びブルックリン・ネッツの2018年ドラフト1巡目指名権とマイアミ・ヒートの2020年ドラフト2巡目指名権を手に入れる。
同じ東地区に所属し、昨季は地区優勝を争ったライバルチームが、主力選手を入れ替えるという異例のトレードとなった。
ことの発端は、このニュースが引き金だった。
“カイリー・アービングがチームにトレードを要求していた”
全世界のNBA関係者とファンを驚愕させたこのニュースが出回ったのは現地時間7月21日。
この日彼は、ナイキから発売する新作シグニチャーモデル“カイリー3”のプロモーションのため、初来日していた。午前中は原宿の直営店でのトークショー、午後からは大田区総合体育館でのバスケイベントというスケジュールの中で、私はWOWOWの番組用にインタビューをさせてもらった。半日近く彼の側にいて、色々な会話を交わしていたので、夜遅くにニュースが飛び込んできたときには、意外に思った。
カイリーとレブロンの関係性が取りざたされたが……。
当然、その日からカイリーのトレードのドラマは過熱し、様々な報道がされた。報道の焦点は大きくふたつだった。
1.トレードを要求した理由。
2.なぜこのタイミングで要求したのか。
前者に関しては、球団に伝えられたとされる理由が「自分に焦点があたる環境に移りたい」だったため、レブロンとの関係が大きく取り沙汰された。
謎解きは、不仲説、PGとしてプレイ出来ない不満、ボールタッチが少ないから、などコート内外でのレブロンとのパワーバランスから始まった。
レブロンが来年チームを捨ててロスに行くことが水面下で決まっていて、カイリーは沈む船からいち早く抜け出す作戦に出た、などという極端な意見もあった。
しかし自分が中心になることが希望だとして、レブロンがいなくなることも決定しているなら、1年優勝争いをしながら待っていれば、自然と自分のチームが手に入るはず。その説には合点がいかない。