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五十嵐、川村、そしてレジェンド折茂。
Bリーグとホームタウンの幸福な関係。
posted2017/09/21 17:30
text by
瀬尾泰信(Number編集部)Yasunobu Seo
photograph by
Yuki Suenaga
9月29日、2年目のBリーグがいよいよ開幕する。
田臥勇太率いる栃木ブレックスの連覇はあるか。進境著しい富樫勇樹のプレーが冴え渡る千葉ジェッツ、馬場雄大やランデン・ルーカスなど新戦力充実のアルバルク東京、実力者を揃えた琉球ゴールデンキングスが一矢報いるか。あるいは思わぬチームが抜け出すか──。
今回Numberは、新シーズンのオフィシャルガイドブック『Number PLUS B.LEAGUE 2017-18 OFFICIAL GUIDEBOOK』を刊行。B1からB3まで全45チームの完全名鑑はもちろんのこと、B1の18チームについては全チームの主力選手にインタビューを行い、プロリーグの舞台で戦えたことの喜びと、リーグ2年目への決意をじっくり語ってもらうことができた。
数多くの選手の「生の声」に接して、感じたことがある。
Bリーグの選手たちとホームタウンの「幸福な関係」だ。
新潟で五十嵐圭がはじめて感じたホーム感。
たとえば、新潟アルビレックスBBと、五十嵐圭。
2006年に日本で開催されたバスケットボール世界選手権の主力メンバーの1人であり、スピードあふれるプレーはもちろん、端正なルックスと爽やかなキャラクターで一躍人気者になったバスケ界の貴公子は、Bリーグ元年を故郷・新潟のチームで迎えた。
個人のプロ選手としてはすでに10年ほどのキャリアがあるが、昨季の本拠地開幕戦、ホームアリーナ「アオーレ長岡」を埋め尽くした観客に驚かされたという。
「プロチームで、ホーム&アウェーでやる試合として、はじめてホーム感を味わうことができました」──。
もともと新潟はバスケ人気が高く、JBL時代に試合で訪れた際にも、目の肥えたファンの熱気は十二分に感じていたという。その熱気を味方につけてプレーすることの興奮と充実。昨季、五十嵐は36歳にしてこれまでのキャリアで最も長いプレータイムを記録したが、それはもちろんブースターの後押しがあってのこと。「(新潟に)来てくれてありがとう」と街中で声をかけられることの喜びは、これまでも多くの声援を受けてきた五十嵐にとっても新鮮で、これまでとは違ったモチベーションを得るきっかけとなっている。